2021 Fiscal Year Research-status Report
Cognitive Linguistic Comparative Study of Japanese and English Narratives
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21K00535
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
都築 雅子 中京大学, 国際学部, 教授 (00227448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 美穂 名古屋短期大学, 英語コミュニケーション学科, 准教授 (90713321)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 事態把握 / 主観性・主体性 / 客体化 / 語りテクスト / 日英語対照 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本語/英語の小説テクスト(原文/訳文)を対象に、事態把握の主観性/客観性の観点から分析を行うことにより、①日英の語りの描写パターンを抽出し、②そのような描写パターンを可能にしている日英の文法・語彙装置(主観動詞・モダリティ助動詞/副詞・進行形・時制・感嘆文・間投詞など)を特定し、③日英の語りの言語の共通点と相違点を明らかにすることを目的としている。
1年目は、「語り」などにもみられる英語の不定用法のyouに着目し、その用法が日本人英語学習者に概ね習得できていないことをアンケート調査で確認した上で、その要因が日英語の事態把握の傾向の違い、および話し手と聞き手のスタンスにおける日英の違いにあると論じた(「英語人称代名詞「youの不定用法」― 日本人英語学習者の教育・学習への含意」という題名のもと、日本認知言語学会第20回大会ワークショップで発表した)。より具体的には、客体化のプロセスや相補的スタンスをとりやすい英語母語話者との違いである。
2年目以降、主観性・主体性という概念について、もう少し精緻化した上で、日英のテクストの考察を行っていく予定である。具体的にはyouの不定用法を含めた英語における代名詞の展開、間接引用などの現象を考察した上で、対応する日本語テクストの分析を行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日英テクストの比較考察をするに当たり、主観性・主体性について、もう少し考察する必要があることがわかったため、それについてまず精緻化をはからなければならない。
また本務校の国際学部がまだ2年目で、授業準備および雑務になどで忙しかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度から、認知言語学と日本語学を専門に研究している大西美穂氏に本科研プロジェクトに分担者として加わっていただくこととなった。 まずは、主観性・主体性・客体化といった概念について、認知言語学・語用論の分野で様々な提案がなされているので、それらを検討した上で、本プロジェクトに関わる点に関して概念の精緻化を図りたい。 その上で、日英のテクストの考察を行っていく。具体的にはyouの不定用法を含めた英語における代名詞の展開、間接引用などの現象を考察した上で、対応する日本語テクストの分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
昨年、コロナ禍で海外の学会が中止となったため、出張することができなかった。
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