2022 Fiscal Year Research-status Report
認知脳科学からみる音声言語と非音声言語の文法体系の解明に関する研究
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21K00536
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
金 情浩 京都女子大学, 文学部, 准教授 (70513852)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 言語処理 / 日本手話 / 非手指標識 / ジェスチャー |
Outline of Annual Research Achievements |
口話法や日本語対応手話による指導法に強い危機感を持っている日本手話話者も多くいる。その理由の一つに前述の2つの指導法は文法機能を担う非手指標識(NMM: Non Manual Markers)を持たないことが挙げられる。そこで、本研究ではそのような疑問に科学的な根拠をもって答えるための基礎的な研究を行っている。音声言語と日本手話の文処理(理解)メカニズムが極めて類似していて、文法機能を持たないとされる日本語対応手話とジェスチャーの文法体系が音声言語の文処理とは異なる脳内処理基盤を持つことが証明できれば、「聞こえない子どもたちに本当に必要な教育とは何か」という問いに、より一般性の高いモデルで説明できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2年目は作成した実験文を使って予備実験と本実験を行う予定を立てていたが、実験対象者のほとんどが高齢者(60代~70代後半)であること、また新型コロナウイルス感染の収束が見通せない状況を受けて、参加者の健康や安全を最優先に考慮していたため、当初の予定より大幅に研究計画が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
できるだけ早い時期に予備実験を実施し、大きな修正点・問題点がなければ本実験を実施する予定である。実施計画と実験用の刺激文については本研究関連分野の研究者からの協力を得て検討を重ねてきた。
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Causes of Carryover |
前年度同様、当初予定していた研究協力者との対面による研究打ち合わせと予備実験・本実験の実施が難しかったため、次年度使用額が生じた。繰越金は、研究打ち合わせと論文投稿の費用、謝金として支出予定である。
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