2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K00545
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高山 善行 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (90206897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 耕生 愛媛大学, 法文学部, 教授 (30259452)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 中古語 / 文法史 / 疑問文 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究期間(4年間)の初年度にあたるため、今後の研究を円滑に進めるための準備作業に注力した。応募書類に記した研究計画を研究分担者と再確認し、研究の目的や手順を理解するとともに、予算の執行についても確認した。 この年度は、平安初期資料による疑問文の用例の調査・分析をおこなうことになっていた。その際、『竹取物語』『伊勢物語』『大和物語』を資料とする予定であったが、実際には、前二者は疑問文のバリエーションが少ないため、研究分担者と協議し、『大和物語』に絞ることとした。 まず、基礎調査として、当該作品より疑問文の全用例を抽出した。それらを、「疑問詞」「係助詞」「モダリティ形式」「終助詞」という構成要素配列で分類・整理し、パターン別の用例分布をデータ化した。さらに、「地の文」「会話文」「心内文」「歌」という4つの文タイプでの分布を調査し、データ化した。 コロナ禍の影響で、図書館での文献調査ができず、また対面での研究打ち合わせ会議も開催できなかった。年度中に2回、ZOOMによる研究打ち合わせ会議をおこなったが、その場で図書を調べながらの検討ができなかったのは残念であった。 以上については基礎調査の段階であり、まだ分析が不十分であるが、今年度中に論文化し公表できればと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の進捗は、当初の予定よりやや遅れている。その主な理由は、前年度の科研費研究がコロナ禍のため研究期間の延長をせざるをえなかったためである。前年度の研究終了が2021年8月末であり、研究報告書の作成に時間がかかったため、本課題の研究のスタートが大幅に遅れたのである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、用例調査・分析のスピードアップをはかりたいと思う。幸い、初年度の研究で今後の土台が固まったので、研究の時間がとれさえすれば、遅れをとりもどすことはさほど難しくはない。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、コロナ禍の影響で出張旅費が使用できなかったことによる。予定では、愛媛大学での研究打ち合わせ会議、国立国語研究所での文献調査での出張を予定していたが、前者はZOOM会議となり、後者は取りやめとなったため、その分の出張旅費が余ったのである。
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