2022 Fiscal Year Research-status Report
わかりやすいプレゼンテーションを支援するe-learning教材の開発と実践
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21K00625
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
坂井 美恵子 大分大学, 教育マネジメント機構, 教授 (60288868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西島 順子 大分大学, 教育マネジメント機構, 講師 (80879065)
大岩 幸太郎 大分大学, 教育学部, 名誉教授 (90223726)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プレゼンテーション / 言い換え / 話し言葉 / 書き言葉 / e-learning / プレゼンテーション原稿作成支援 / プレゼンテーションの構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本語中級・上級レベルの学習者がプレゼンテーション(以下プレゼン)原稿のアウトラインを考え、原稿の作成・保存ができるe-learning:プレゼン原稿作成支援サイトの構築を引き続き行っている。 これまで収集した中級と上級レベルの日本語学習者及び日本語母語話者約50名のプレゼン原稿コーパスを分析し、プレゼン全体を「序論、本論、結論」の3つの部分に分け、序論や結論の中の共通した言い方や、各部分のアウトライン、アウトライン内で使える基本的な文例を抜き出し、データーベースとしてシステムに実装した。 本サイトでの原稿作成手順は、「1.トピックの選択、2.アウトラインの作成、3.文例選択、4.原稿を仕上げる(選択した文例を利用し、言いたい文を作る)、5.言い換えチェック、6.原稿完成」とした。扱うトピックは、「地域の紹介、料理、本の紹介、社会問題」等である。「2.アウトラインの作成」では、(1)序論には「挨拶、トピックの紹介、聴衆への呼びかけ、理由、発表の流れ」等、(2)本論には「問題発生の経緯、データの提示・説明・比較、理由・意見」等、(3)結論には、「まとめ、聴衆への働きかけ、挨拶」等のアウトラインを用意した。各アウトライン内で示す「文例」は、「聴衆への呼びかけ」では、「みなさんは<トピック>について聞いたことがあるでしょうか」等がある。なお、<>内は、学習者に適切な内容の記入を求める意である。 書き終わった原稿は、「5.言い換えチェック」で、書き言葉で使われる漢語等をハイライトで示し、話し言葉を提案する機能を使って、話し言葉を意識させるようにしている。その他、原稿の読み上げ機能も実装した。 このように、明確な構成を持つプレゼン原稿を作成するために、学習者自身でアウトラインを組み立て、トピックに適う具体的内容を追記できるようにしたe-learning教材の開発に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学習者用のプレゼン原稿作成支援プログラムについてのシステム開発は予定どおり完了し、現在は動作確認と修正を行っているところである。しかし、予算の都合上、管理者用の学習履歴管理プログラムの開発は来年度に行なうことになったため、やや遅れていると判断した。管理者用の基本設計と画面構成は既に完成しており、それに基づいたプログラムを来年度開発業者に発注することにより、プレゼン支援サイトの完成を目指す。 プレゼン原稿作成支援プログラムに搭載した構成と文例については、学習者の試用を行ない、学習者にわかりやすいように提示ができているか、また、適切な構成と文例の提示ができているかを再確認し、必要に応じて修正を行う必要がある。 言い換えチェック機能で言い換えを提案する語句は、今年度1,880語まで増やしたが、まだ不十分であるため、今後もさらに増やす必要がある。このことからも、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は管理者用の学習履歴管理プログラムをシステム開発業者に発注し、システム全体を完成させる。その後、スピーキングの授業を受講している中級と上級レベルの学習者を対象に本システムを使ってプレゼン原稿を作成してもらい、動作確認とフィードバックを得る。その上で問題点を洗い出し、システムの改良に反映させる。それと同時に、本システムに採用した各構成や文例が適切かどうかを検討し、修正や追加、削除を行う予定である。 言い換えチェック機能に搭載する語句についてもまだ不十分であると考える。よって、学習者の作成したプレゼン原稿から言い換え表現の提案が必要な語句をさらに収集し、2,000語まで増やす予定である。また、分担者は管理者用画面の動作確認を行い、問題点や改修が必要な点の洗い出しを行う。 これらの成果を国際学会で発表し、論文にまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
次年度はシステム開発のうち、管理者用の学習履歴管理プログラムの開発を行う予定であり、既に開発業者から見積もりを出してもらっている。来年度支給される予算だけでは不足するので、そのための予算に充てる予定である。
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