2021 Fiscal Year Research-status Report
Fostering Evaluators for Quality Assurance of Japanese Language Education at Universities: Training Japanese Language Teachers to Practice Developmental Evaluation
Project/Area Number |
21K00631
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
小澤 伊久美 国際基督教大学, 教養学部, 課程上級准教授 (60296796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 千歌 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 教授 (30323942)
池田 伸子 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 教授 (30294987)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 発展的評価 / 日本語教育 / 大学 / 人材育成 / 質保証 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大学日本語教育の質保証を担う評価人材育成のために、日本語教師対象の発展的評価(Developmental Evaluation: DE)研修を開発することを目的としている。北米の評価人材育成と大学日本語教育部門におけるDE実践例を分析し、高度デザイン人材等の関連分野の知見も参考にしてDEが実践できる日本語教師の資質・能力を解明する。DE研修プログラムは、対面及びオンラインでも参加可能な形式で開発することを目指している。2021年度の成果は以下の通りである。まず、北米を中心とした評価人材に求められるスキルや、その育成の在り方について調査を行った。その過程で、公正な価値付けとなる評価がコロナ禍でさらに重視されていることがわかった。また、ブルー・マーブル評価(Blue Marble Evaluation)など、よりよい社会、持続可能な世界を実現するための評価活動がコロナ禍でさらに活発に展開され、これに賛同する評価者らのネットワークが拡大していることもわかった。研修では、Zoomなどを用いて世界各地の評価人材の同期型・非同期型の学び合いが推進され、理論と実践例に基づく実用重視の評価の研修が行われていることもわかった。 これを日本の大学日本語教育部門におけるDEの実践やDE実践家育成に応用するためには、従来型のニーズ分析やインパクトの評価だけでなく、包括的に問題を捉え、当事者ですら意識していない真の問題を概念化することが必要であることも明らかになってきた。その具体的な手法を検討し、高度デザイン人材育成やISOについて調査した結果、これらを取り入れることがDEを実践する現場においても、DE実践家を育成する研修においても有効であるという感触を得た。 年度末には、これらの成果を踏まえてDEのオンライン研修を試行しており、次年度にはその分析は行い、改めて研修を開催する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍対応で本務のエフォート率が多くなったため、また、移動および対面接触を伴う調査や研修の実施が制限されたため(研修取り止めや渡航不可など)。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、以下の活動を行う予定である。 ① 前年度試行したDE研修について、研修の内容や実施方法の適否を分析し、改善版を試行する。特にオンラインでの実施、理解度の異なる参加者のそれぞれにとって効果のある研修を、インストラクショナルデザイン、人間中心設計、デザイン思考の考えを取り入れて開発する。その過程で、今年度は特に人間中心設計とデザイン人材育成についてさらに調査を進め、積極的に取り入れる予定である。 ② 本研究課題の協力プログラムを対象に、大学日本語教育部門におけるDE実践を進め、その展開について分析を進める。 ③ 大学の内部質保証を踏まえた日本語教育部門のカリキュラムマネジメント、及び、日本語教師研修に関する最新の動向を調査する。調査手法は、主として文献調査を予定している。文献調査では不十分な点は専門家らへのインタビュー調査などを実施する。 ④ DE研修を進める上で参考になる情報や事例をウェブサイトなどで公開し、研修の素材とするとともに、啓蒙のためのツールとして提供する。これは今年度開始するが、毎年更新して、本研究課題終了年度まで継続する予定である。
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Causes of Carryover |
国内の評価学の学会に参加し情報収集や専門家へのインタビューなどを行いたいと考えていたが、コロナ禍でオンライン開催となったため旅費や専門家への謝礼を使用せずに終わってしまった。 次年度は移動制限が緩和されることを想定し、上記は次年度に実施したいと考えている。移動制限などが継続し、実現が難しくなった場合には、文献収集の量を増やすとともにオンラインでの専門家らへのインタビューなどで代替することを検討している。
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Research Products
(10 results)