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2022 Fiscal Year Research-status Report

講義の談話の理解におけるパラフレーズの研究

Research Project

Project/Area Number 21K00634
Research InstitutionChukyo University

Principal Investigator

宮澤 太聡  中京大学, 文学部, 准教授 (90579161)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords日本語教育 / 講義の談話 / 表現と理解 / パラフレーズ / 要約 / 言い換え
Outline of Annual Research Achievements

2022年度は、理解データの情報伝達単位(CU)のラベル付けを続けながら、2021年度に十分行えなかったCUの認定基準の再検討を行った。並行して、まずは、要約文の分析から、講義Gと講義Hを受講して理解した内容(結果的理解)をどのようなかたちで表現するのか、その表現形式に特徴があるのかを、日本人学生と外国人留学生の比較をしながら分析することを目指した。
今年度は、講義Gの談話を対象に、①主題段(講義の中心的な内容の段)の情報のどの部分がどのようなかたちで要約文に表現されているか、②講義の談話に特徴的な話段(抽象的な分類について具体例を挙げながら説明をする話段)の情報がどのようなかたちで要約文に表現されているかを、情報伝達単位(CU)に基づき分析を行った。これまでの研究は、量的な研究方法が優先されていたが、今回は、個人の要約のし方を詳細に分析することを試みた。
①については、いまだ分析中であるが、②については、日本人大学生と外国人留学生との間に差がみられることがわかった。個人差はあるが、外国人留学生は、ある抽象的な分類の具体例を複数並列して表現し、分類同士の関連といった抽象的な内容については表現しない傾向がある。一方、日本人大学生は、分類の具体例を示すことはなく、分類の説明、そして分類同士の関連といった抽象的な内容を表現する傾向がある。さらに、外国人留学生は、「~する場合」のように、条件のかたちで話題を提示するという特徴がみられた。現在、これらの結果をまとめて論文化を予定している。
2023年度は、①の講義全体の要約の分析を終え、文章・談話レベルにおける日本人大学生と外国人留学生との講義内容のパラフレーズの特徴を明らかにしたいと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2021年度に行う予定だった「情報伝達単位(CU)」の認定基準の精緻化を検討したが、文章・談話レベルにおけるパラフレーズの範囲について、①講義の談話の主題段の内容をどのように要約文に表現するかという全体構造に関するものと②講義の談話の話段レベルの内容をどのように要約文に表現するのかという部分的な構造に関するものとの二つを検討する必要があることが判明し、CUの精緻化とともに、CUを基準としたパラフレーズの単位についても検討しながら分析を進めている。分析範囲の再検討により、本年度予定していた学会発表を行うことが出来ず、進度がやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

本研究は、理解データとして、受講時の①ノート,受講後の②要約文,③インタビューの3種を扱う予定であったが、②要約文の分析の段階で、文章・談話レベルのパラフレーズの範囲を2つに分けて分析・考察する必要があることがわかった。
そこで、本研究では、過程的な理解の反映としての①ノートと結果的な理解の反映としての②要約文に限って分析を行うことで、より詳細な受講者のパラフレーズの類型化を目指すことにする。
また、新型コロナウイルスによる行動制限の緩和により、分析の検討について、データを管理する「文章・談話研究会」(代表:佐久間まゆみ早稲田大学名誉教授)からもフィードバックを受ける体制を整え、研究の推進を目指す。

Causes of Carryover

・コロナの影響で、東京への移動、研究会の開催ができなかったため、旅費と施設利用の費用が利用できなかった。積極的に移動をして、特に、情報伝達単位の再検討に対するアドバイスを受ける機会を増やす必要がある。具体的には、東京出張を月2回に増やすことを計画している。
〇東京-名古屋間往復+宿泊費:32,000円 × 10回 = 320,000円)
〇会議室 30,000円×10回 = 300,000円)
・2022年度行えなかった学会発表を今年度行う予定であるが、まだオンライン開催が多く、学会参加費として充てられるかは未定である。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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