2021 Fiscal Year Research-status Report
デジタル時代のリーディング・リテラシーを支援する読書教育プログラムの開発
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21K00637
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
脇田 里子 同志社大学, グローバル・コミュニケーション学部, 准教授 (20251978)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 読書教育 / 電子書籍 / リーディング・リテラシー / 読解力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大学に在籍する日本語学習者のリーディング・リテラシーを支援するために、デジタル時代における読書教育プロラムのモデルを構築することである。2021年度の目的である「PISA型読解力を高める読書教育の調査」については、国内の一大学だけ行うことができた。2021年7月、帝京大学図書館「共読ライブラリー」を見学し、情報を収集した。そのモットーは「読み合い、薦め合い、評し合う」であることからも、読書は個人で読むものから、仲間と共同で読み合うものに変わってきていることがわかる。また、「共読ライブラリー」においても、情報編集力養成として読書術に着目し、オンラインで読書術を学ぶコースが設定されている。読書教育の推進においては、ピア活動と読書術が重視されていることが確認できた。2021年度は海外での調査が実施できなかったので、2022年度に実施を延期したい。 国内において電子書籍による日本語の読書教育については、本格的に実践している機関は管見の限り、まだないようである。2019年からの新型コロナ感染拡大に伴い、印刷書籍の電子書籍化は拍車がかかっている。学生が電子書籍で読書をする際の壁は低くなってきているが、依然として読書をしない層も一定数いる。こうした学生のリーディング・リテラシーを伸ばす方略は課題である。 日本語学習者を対象にした読書教育実践について、報告や論文などを調査した結果、語学教育の場合、「読書=多読教育」として捉えていることが多い。 日本語学習者を対象にした電子書籍による読書教育の実践について、ヨーロッパ日本語教育シンポジウム(オンライン)にてポスター発表、日本読書学会(オンライン)にて口頭発表を行い、専門日本語教育学会誌において学術論文一編を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は新型コロナウィルス感染の影響があり、読書教育の調査を実施できたのは国内の一校のみであった。海外の大学に調査に行くことは不可能であった。海外の大学の調査は2022年度に延期する。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に、2021年度実施予定であった海外の高等教育の読書教育の調査を行う。 2022年度は当初の予定通り、デジタル時代に求められる読書リテラシーの分析を行う。①電子メディア書籍と印刷書籍の読書リテラシーの違いについて、先行研究を調査、分析する。②電子メディア書籍の媒体の違いによって、学習者の読書時間、読書量、集中力が異なるかなどについて調査する。③日本語学習者の読書に対するビリーフについて、調査する。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス感染拡大のため、2021年度に予定していた海外での調査が実施できなかったため、海外渡航費を2022年度に繰り越した。2021年度に計画していた海外での調査は2022年度に実施予定である。
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