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2021 Fiscal Year Research-status Report

ASDを持つ日本語学習者に対する教授法開発および教材作成に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 21K00644
Research InstitutionNagasaki University of Foreign Studies

Principal Investigator

安田 眞由美  長崎外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30532923)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
KeywordsASD / 発達障害 / 日本語学習者 / 言語能力 / 言語運用能力 / 情意要因
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,発達障害の中でもASDを持つ日本語学習者が,日本での日本語学習において,どのような問題に直面し,どのような困難さがあるのか,またどのような支援を求めているのかということについて,日本語学習者や日本語教師を対象に半構造化インタビューを実施し,明らかにすること,そして,インタビューの分析結果および国内外のASDを持つ人を対象にした外国語や日本語学習に関する先行研究の分析を通して,効果的な教授法や教材を開発することである。
ASDを持つ人は,一般的に,社会的コミュニケーションの障害,限定された反復的行動があることが知られている。また,発達検査のアセスメントから,言語能力,視覚空間能力は優位であるが,処理速度,ワーキングメモリーが低いことが分かっている。このASDの特性が日本語学習にどのように影響するのか,「言語能力」,「言語運用能力」の側面に,「情意要因」の側面を加え,3つの側面から考察した。言語能力には,正書法,文法,語彙,構文,読解,音声・音韻などが含まれ,言語運用能力には,社会言語的能力,談話能力,方略的能力が含まれる。情意要因には,時間の管理,教室での人間関係構築,授業形態などに起因する不安や恐れが含まれる。
日本語学習におけるASDの特性について,「言語能力」,「言語運用能力」,「情意要因」の側面から考察,分析することで,より具体的に困難さを把握することができ,包括的かつ有効な指導や支援につながると思われる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究は,半構造化インタビューによって,発達障害の中でもASDを持つ日本語学習者が日本での日本語学習において,どのような問題に直面し,どのような困難さがあるのか,またどのような支援を求めているのかということについて明らかにするものである。インタビューの対象者は,まずは,大学に在籍して日本語教育を受けているASDを持つ留学生(日本語学習者)と彼らを実際に教室で指導している日本語教師である。
2021年度はコロナ禍で,オミクロン株の感染拡大もあり,新規の留学生が来日できない状況が続いた。このため,インタビューを予定していた大学に在籍する留学生数が激減し,ASDを持つ留学生(日本語学習者)を見つけることができず,留学生(日本語学習者)へのインタビューは全く実施できていない。さらに,日本語教師へのインタビューであるが,他県への移動が制限されていたため,対面で行うインタビューは,身近な教師にしか実施できていない。
以上,述べたように,コロナウイルスの感染拡大により,新規の留学生(日本語学習者)が来日できなかったこと,県外への移動が制限されていたことが進捗状況がやや遅れている理由である。

Strategy for Future Research Activity

ワクチン接種が進んだこと,移動制限や行動制限が解除されたこと,政府が留学生の新規受け入れを再開したことから,インタビューが実施できる環境が整いつつあると理解している。このような状況を鑑み,2022年度は,国内外の先行研究の調査・分析と合わせて,留学生(日本語学習者)と日本語教師へのインタビューを積極的に進めていきたいと考えている。
留学生の新規入国は,現時点ではまだ段階的なため,まずは,ASDを持つ学習者を指導した経験のある日本語教師へのインタビューを実施する。それと並行して,留学生(日本語学習者)へのインタビューも可能な限り実施する。

Causes of Carryover

コロナ禍で,県外への移動や行動が制限されたため,対面でのインタビューがほとんど実施できなかった。そのため,旅費の精算がゼロになっている。対面でのインタビューは,日本語教師と留学生(日本語学習者)を予定しているが,2021年度は留学生の新規入国が制限されていたため,ASDを持つ留学生(日本語学習者)を見つけることができず,留学生(日本語学習者)へのインタビューは全く実施できていない。留学生(日本語学習者)へのインタビューが実施できていないため,研究同意書の翻訳や通訳者の依頼が必要ではなかった。このため,人件費や謝金がゼロとなっている。
2022年度は,コロナの感染状況が落ち着きつつあり,移動や行動が制限されておらず,留学生の新規入国も可能になったため,日本語教師や留学生(日本語学習者)へのインタビューを積極的に実施したいと考えている。インタビューを実施するにあたり,旅費,翻訳や通訳の人件費,謝金,文字起こしの費用が発生する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 自閉スペクトラム症を持つ留学生への支援の実践報告―大学の学生寮での生活上の問題解決を目指してー2021

    • Author(s)
      安田眞由美
    • Journal Title

      長崎外大論叢

      Volume: 第25号 Pages: 85-98

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2022-12-28  

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