2021 Fiscal Year Research-status Report
ストループテストを活用した言語情報処理過程の検証:二言語間の書記体系に注目して
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21K00646
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石崎 貴士 山形大学, 大学院教育実践研究科, 教授 (20323181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 博文 同朋大学, 文学部, 教授(移行) (10325590)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ストループテスト / 第二言語習得 / 書記体系 / 言語処理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
第二言語学習者における母語と第二言語の処理の関係性解明に向け、コンピュータをベースとした音声反応形式のストループテストを開発し、これまで日本と台湾で第二言語学習者を対象に実験を行ってきた。先行研究に見られた矛盾点を克服する代案としての統合モデルを提案する成果も得られたが、台湾での共同研究を進めていく中で、比較の等質性をめぐり、より精緻な実験を行うためには台湾における母語と書記体系の文化的な背景について考慮する必要があるという認識に至った。そこで、本研究では等質性の観点から中国語母語話者に提示する刺激を見直し、第二言語についても日本語母語話者と中国語母語話者の両方で英語に統一して、同じ習熟度テストを実施する。本研究の目的は、より等質性を重視した精緻な形での比較・検証によって、上述の統合モデルの適用可能性についてのさらなる支持証拠を示すことにある。 このうち1年目である本年度は、新型コロナウィルス感染拡大の影響により研究の進捗に遅れが生じている。特に台湾との共同研究における影響は深刻で、本年度は一度も現地に赴くことができなかった。本研究にかかわる実験の内容については、山形大学地域教育文化学部の倫理委員会に審査を申請し、同委員会より承認を得たが、日本での実験実施においても新型コロナウィルスの影響で、感染予防措置を講じながら実験参加者を確保することに難航し、本年度中に予定の人数を充足することができなかった。そのため、本年度の研究実績としては本研究の理論的な基盤を構築することが主となり、その成果を論文にまとめて学会誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大の影響により研究の進捗に遅れが生じている。特に台湾との共同研究における影響は深刻で、本年度は一度も現地に赴くことができず、台湾の研究協力者の先生とオンラインで数回打合せを行うだけにとどまった。また、国内における実験実施についても新型コロナウィルスの影響で実験参加者の確保に難航し、本年度中に予定の人数を充足することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、まず国内での実験を継続して実施し、早急に予定人数の充足を目指す。そこでの結果を踏まえて、先に代案として提案した統合モデルの適用可能性について検証し、その成果を学会で発表して、さらに論文として学会誌に投稿する。また、新型コロナウィルスの感染状況を見据えながらではあるが、できるだけ早い段階で台湾に赴き、関係の先生方と協力しながら台湾での実験を開始したいと考えている。
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Causes of Carryover |
(理由) 新型コロナウィルス感染拡大の影響で台湾に赴くことができず、現地での実験実施に向けて研究協力者との打合せが実施できなかった。台湾での実験が行えない状況であるので、現地の研究協力者の先生や実験補助スタッフ、さらに実験参加者への謝金の支出が滞っているため。 (使用計画) あくまでも新型コロナウィルスの感染拡大の状況次第ではあるが、次年度には早急に台湾での実験について始動し、現地の研究協力者、実験補助スタッフ、実験参加者へ当該分の謝金を支出する。さらに成果発表に向け、台湾を訪れて打合せを行うための旅費や、台湾の研究協力者の先生を共同発表者として日本で開催される全国学会で発表するための費用についても支出する予定である。
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Research Products
(2 results)