2023 Fiscal Year Research-status Report
第二言語話者の「談話構築能力」の発達過程 ―談話機能主義の観点から―
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21K00666
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
遠山 千佳 立命館大学, 法学部, 教授 (40383400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 虹 鹿児島県立短期大学, その他部局等【文学科】, 教授 (20571607)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 談話構築 / 第2言語習得 / 結束性 / 参照表現 / トピック性 / 言語類型論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、主にタイ語を母語とする中級日本語学習者14名(タイ在住)を対象に、談話データを収集し、談話構築能力の習得状況と習得に影響を与える要因を探るための調査を行なった。当初対面で談話データを収集する予定であったが、コロナ禍の影響から、オンラインでデータ収集を行なった。 談話データの課題は、(1)文字のない絵本を見ながらストーリーを話す、(2)タイのことをあまり知らない人にタイの行事について話す、という2点で、データ収集後、フォローアップインタビューを行なった。データは、参照表現、トピック性の観点から分析し、過年度に収集した中国語母語話者、韓国語母語話者、日本語母語話者によるデータとも比較対照し、談話の結束性を生じさせる手法、言語類型論、第二言語としてのストラテジー、インストラクションなどの観点から分析を行なった。本分析により、従来、自然習得にまかされ、中級レベルではあまり扱われてこなかった談話における参照表現の明示的知識が第二言語の談話構築に効果を与えること、つまり、インストラクションが一定の成果をあげることが示された。また、効果が談話の産出に現れるレベルとして、ある程度以上の日本語能力レベルが必要であることも示された。 結果は以下のシンポジウムで報告した。 「タイ人日本語学習者の物語談話における結束性ー参照表現に着目してー」第1回タイ国日本語教育国際シンポジウム、2024年3月9日、於カセサート大学(タイ、バンコク市)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の遅れを取り戻すため、一部研究方法を変更することで進めることができた。しかしながら、遅れはまだ取り戻せておらず、また、今年度は家族の介護と看病の比重が大きくなり、予定通りの時間を充てることが難しかったことも影響した。2024年度は、今年度変更した研究方法で進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度のタイ人学習者に続き、今年度は英語母語話者等を対象とした調査を進めているところである。AI搭載の機器なども利用しながら、英語母語話者に続き、さまざまな言語の母語話者のデータを収集し、分析をしていく。また、縦断的なデータ収集も行う。 それらを分析した上で、第二言語話者の談話構築能力の発達過程のモデル化を試みる。 また、文献調査も引き続き進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:コロナ禍の影響を受け、データ収集方法を変更したこと、およびデータ収集の遅れにより次年度使用額が生じてしまっている。 使用計画:データ収集方法の変更により経費が少なくなる分、今後データ収集数を増やしていく。また、それらを迅速に分析し、成果として発表を行なっていく。
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