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2021 Fiscal Year Research-status Report

Development of evaluation index of teamwork ability in PBL international collaborative English active learning

Research Project

Project/Area Number 21K00693
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

吉田 信介  関西大学, 外国語学部, 教授 (50230743)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords国際共修 / 自己評価 / 意思決定 / グループダイナミクス / 国際協働
Outline of Annual Research Achievements

過去のデータから自己評定アンケート60項目を作成した.【グループ活動】では,目標と任務・責任・記録など8項目,【ネットミーティング】では,意思決定の手順とルールなど10項目,【成功するグループ活動】では,知り合うなど9項目,【グループメンバー間コミュニケーション】では,正確なコミュニケーションなど6項目,【話を聞く力】では,コミュニケーションスタイルなど3項目,【非言語伝達能力】では,ジェスチャーなど6項目,【総合的コミュニケーション力】では,全体コミュニケーションなど2項目,【グループの集団思考】では,論理的思考と励ましなど6項目,【グループによる合意手順】では,議論の方法など10項目をそれぞれ設けた.
これらを2021年度のオンライン日台国際交流イベントで実施したところ,参加した学生は,英語によるコミュニケーション能力は高いが,グループ活動においては,協働,情報共有,言語・非言語による適切なコミュニケーションの取り方, ICTの活用,要約・言い換え・明確化ができるグループと,活動手順,集団思考,自己評価そのものができなかったグループに分かれることが判明した。
このことからグループ活動においては積極性,インタラクション力, ICT力,言い換え力に優れたものがグループをリードしていき,集団内での手順,思考,評価ができないものは取り残されていくという示唆を得た。自由記述からは,互いの英語力の差を国際協働で克服することが真の国際交流につながること,同国語使用者間でもリンガフランカとしての英語で意思疎通をはかることの大切さ,リハーサルによるこころのゆとりを持ち,自己の殻から抜け出す勇気をもつことなどが指摘され,参加者の意識の高さを物語るものであったといえよう。
今回は,コロナ禍のため,オンラインによる国際交流と最終プレゼンテーションであったが,多くの成果と知見を得ることができた.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

通常,現地において協働プレゼンテーションの最終の仕上げを行っていたが,今回はコロナ禍のためそれが実現できなかった.やはり,オンラインのみによる交流イベントには限界があるといえる.例えば,ネット接続の不安定さ,生活音などによる集中不足,フィードバックの遅延,言語的やりとりの不足,メラビアンによる非言語コミュニケーションから得られる情報(身振り・姿勢・顔の表情・視線・まばたきなどの身体動作,握手や抱擁による接触行動,プロクセミクスによる空間的距離)による言語コミュニケーションの補完・信頼関係の構築・深い理解,が行えないことがあげられる.特に日本のようなHigh context cultureでは相手の考えをすばやく察し,以心伝心のコミュニケーションを行っていることから,言葉でなくても相手が察してくれるとの推測の弊害があった.つまりオンライン(Zoomなど)での小さい画面を通じて相手への賛意を示す場合,日本的には大げさすぎるくらいのうなずきの動作をしないと相手に肯定の意味がうまく伝わらない現象が多くみられた.さらに深刻な問題として,ネットの不安定を理由に,顔出しを強制できないことによる音声対話でのコミュニケーション不足があげられる.
通常の本番では,舞台上で国際協働プレゼンテーションを行う.その際,身体表現を最大限に使ってのパーフォーマンス,パーフォーマー同士の舞台空間移動によるダイナミックな表現,マイクやスクリーンの効果的な使い方,聴衆との対面でのインターラクションが行えたが,やはり遠隔プレゼンテーションでは限界がある.
とりわけ,事前事後の現地対面による国際交流では,直接異文化に触れることによる,相手文化の深い理解や自文化との比較による異文化尊重と国際意識の涵養による地球市民力の獲得には至らなかったといえる.
今後,対面交流が可能になれば,これらを実現できると思料する.

Strategy for Future Research Activity

過去のデータから自己評定アンケート60項目を作成・実践したが,それ以外にも自由記述により,多くの知見を得ることができた.そのうち.【気づき】では,両国合同による練習ならではの気づきがあるため,回数を増やす必要があることや,自分の殻から脱出する勇気と行動力が必要であること.【協働】では,パートナー校間の英語力の差を克服する必要性があること,メンバー間での意欲の差を調整することによる全員の能力の最大化が行われること,今回の交流イベントにおいては,人との関わりや人と接する力が必要であること,この交流イベントは,プレゼンテーションの単なる打合せではなく,互いの文化や考え方をよく知ることによる真の国際協働が達成できること,【言語】では,国内グループ内でも母語ではなく英語を使うことで,より高度な能力が習得できること,【発表】では,聴衆に話しかけるように語ること,パートナー校の英語レベルの高さにこたえるべく,更なる英語学習にはげむこと,コミュニケーションギャップを克服するため,例示・絵・漢字による説明の工夫,【ICT活用】では,国ごとに違ったアプリケーションを使用することで,適切なコミュニケーションが図れることがそれぞれ判明した.今後,これらの知見を取り入れたうえで,より精緻な自己評定アンケート項目へと改良を行う.
また,実際の交渉場面をデジタルで記録し,会話分析を行うことで,自己評価だけでは見えなかった部分を客観的に解明し,主観・客観の両面から国際協働プロジェクトにおける理想的なグループ活動のあり方を提示していく。その際,松尾(2015)によるディスコース・マーカーの機能的分類にしたい「グループメンバー間コミュニケーション」,「グループによる合意手順」について活用できるディスコース・マーカーをあてはめることで,今後の PBL 国際協働型英語アクティブ・ラーニングでの活用を行う。

Causes of Carryover

2021年度は,当初の予定では,現地(中華民国台湾)へ事前事後の研究打ち合わせのための渡航2回,ならびに,台湾高雄市における年末の国際交流イベントへ参加による研究データ収集のための渡航を行う予定であった.しかしながら,コロナ禍のため,現地訪問が不可能となり,全てオンラインでの台湾側との研究打ち合わせ,ならびに,交流イベント参加とならざるを得なかった.そのため,過去20年間のデータ・ルーブリックからのアンケート項目の作成,ならびに,アンケート項目の分析・評価による改良を行うための,英語教育・CEFR関係図書,グループ・ダイナミクス関係図書,および,アクティブ・ラーニング関係図書の購入による理論的考察の実施,オンライン会議用の機器ならびに録画機材の購入と必要ソフトの設置を行うに留まった.
2022年度には,オンラインと対面による事前事後の打ち合わせ(台湾高雄市),ならびに,国際交流イベントであるWorld Youth Meeting(国内),ならびに,Asian Students Exchange Program(台湾高雄市)における研究データの収集,アンケートの分析・評価による改良,国内関連学会での中間発表(JACET, JASELE, LET,KELES),ならびに,国際関連学会(TESOL in USA)などでの研究発表を行う予定である.

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] PBL 国際協働型英語アクティブ・ラーニングにおけるグループ学習で活用できる英語ディスコース・マーカーの研究2021

    • Author(s)
      吉田信介
    • Journal Title

      関西大学外国語学部紀要

      Volume: 25 Pages: 79-90

    • Open Access
  • [Presentation] 令和の外国語教育を考える2022

    • Author(s)
      吉田信介
    • Organizer
      関西大学外国語教育学会
    • Invited
  • [Book] アカデミアが挑むSDGs2022

    • Author(s)
      前田裕,他
    • Total Pages
      282
    • Publisher
      関西大学出版部
    • ISBN
      978-4873547480

URL: 

Published: 2022-12-28  

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