2023 Fiscal Year Annual Research Report
Effectiveness of feedback: Investigations into variables affecting second language learning
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21K00700
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
鈴木 渉 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (60549640)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 筆記訂正フィードバック / 直接訂正 / フィードバック処理の認知 / フィードバック処理の情意 / 書き直し / 新作文 / 正確さ / 第二言語習得 |
Outline of Annual Research Achievements |
学習者の第二言語作文のエラーに対して教師が書いてフィードバックを施すこと、つまり、筆記訂正フィードバックを行うことは、学習者の正確さの向上や維持に効果があるのだろうか 。効果があるとすれば、その効果を促進したり、阻害したりする要因は何だろうか。これら2つの課題に答えることが、近年の筆記訂正フィードバックに関する第二言語習得研究の主要な研究目的となっている。これらの研究課題に答えるために、約30年間の実証研究が積み重ねられてきた。それらの実証研究を統合したメタ分析によれば、まず、筆記訂正フィードバックは正確さを向上・維持させる効果はあることが徐々にではあるが分かってきている。次に、その効果に学習者内外の様々な要因が影響を及ぼすことも徐々にではあるが分かってきている。学習者外要因としては、筆記訂正フィードバックの種類(例:直接、間接、文法説明)、目標言語項目の種類(例:文法、語彙)、第二言語作文の種類(例:自由作文、テキスト再構成)、書き直しの有無、筆記訂正フィードバックの効果を測定するタイミング(例:書き直し、新しい作文)などが挙げられる。学習者内要因としては、習熟度、適性、不安、筆記訂正フィードバックの処理の深さなどが挙げられる。本研究は、直接筆記訂正フィードバックは作文の正確さを高める効果があること、その効果に言語項目の種類、筆記訂正フィードバックの処理時に考えたことや感じたことが、複雑に関連することを明らかにした。
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