2021 Fiscal Year Research-status Report
Modeling TA's classroom participations in active learning English classes at Japanese universities
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21K00734
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 悠佑 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 准教授 (70551125)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ティーチング・アシスタント / アクティブ・ラーニング / 英語授業 / 会話分析 / 教室会話 / オンライン・リアルタイム型授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、現代の英語教育を特徴づけるアクティブ・ラーニング型大学英語授業におけるTAの授業参加場面そのものを直接かつ体系的に分析することにより、TAのどのような授業参加が授業の教育価値にどう関与するのかを解明し,TAを活用した大学英語授業の質向上に貢献することを目的としている。そして縦横連続的アクティブ・ラーニング型大学英語授業ビデオデータコーパスの構築と、会話分析 (Conversation Analysis: CA) の手法によってコーパスデータ内のTA参加場面で生まれる教育・学習の (非) 達成の可視化とその評価によって、この目的を達成することを目指している。 2021年度はこれまでに採集した「アクティブ・ラーニング型」大学英語授業におけるティーチング・アシスタント (TA) の参加場面の文字資料化と横断的分析とを中心に研究を行った。前者については、対面型の「アクティブ・ラーニング型」授業の中で、学生たちがアカデミック・プレゼンテーションを行った後のポスト・パフォーマンスフィードバック場面でのTAの参加場面の詳細な文字資料化 (書き起こし) を行った。これは合計36授業分のものとなる。後者については、前述のものを含めこれまでに文字資料化したビデオデータコーパスを精査し、ポスト・パフォーマンスフィードバック場面において、教師からTAへの学生に対するフィードバックの要請、TAの学生へのフィードバック、教師からTAのフィードバックへのコメント、という3つの行為が連なるやり取りを取り上げ、分析を行った。その成果の一部は、「TAの「授業参加」を介した「教育」の達成―大学EGAP授業での教師・TA間の3パート連鎖の会話分析―」という題目で、言語文化研究科共同プロジェクト2021『応用会話分析研究―会話における情意表現の役割―』の中の1篇 (論文) として公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究内容として、(1) 縦横連続的アクティブ・ラーニング型大学英語授業ビデオデータコーパスの構築と、(2) 会話分析 (Conversation Analysis: CA) の手法によるコーパスデータ内のTA参加場面で生まれる教育・学習の (非) 達成の可視化とその評価、を挙げているが、(1) については採集したデータの文字資料化を順調に進めている。(2) についても、文字資料化したデータ分析を進め、論文発表まで行っており、こちらも順調だと言える。コロナ禍のため、国際学会に出張することができなかったことは計画外であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、これまでに構築したアクティブ・ラーニング型大学英語授業ビデオデータコーパスを拡充すべく、ビデオ会議システムを介したオンライン・リアルタイム型で行われ、TAを採用しているアクティブ・ラーニング型英語授業の録画データを採集する。現在すでに採集を開始しており、今年度中に60授業分 (前期30・後期30) のデータ採集を見込んでいる。前期に採集したデータについては、夏季休暇期間である8月9月の間にグループワーク及びプレゼンテーション後のポスト・フィードバック場面及びグループディスカッション参加場面でのTAの参加部分を切り抜き、文字資料化を行う。データ分析に関しては、データの横断的分析を中心に行い、その成果を英語教育や会話分析関連の学会・研究会にて発表を行う。縦断的分析に関してもアイデンティティの変化という観点から、分析を始めることを予定している。学会や研究会はオンライン参加も可能なものを対象としているため、コロナ禍により学会自体が不開催となる可能性もなく、渡航制限などの問題を抱えることもないと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍が続いていたため国際学会への旅費として申請していたものが執行できなかった結果、次年度使用額が生じた。今後は国際学会はもとより、国内学会にも積極的に参加することで、適切な執行を目指していく。
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Research Products
(1 results)