2022 Fiscal Year Research-status Report
Effect of L1 phonotactic constraints in Japanese speakers' learning artificial words
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21K00736
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
片山 圭巳 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (00582371)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 音素配列生起制限 / 第二言語習得 / 言語処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、母語にはない音素配列から成る未知語の学習が可能なのかどうかを検証することにある。Bernard (2017)の研究をもとに、第二言語学習者が無意味語(CVC)を学習する際に、頭子音と尾子音、および音節間をまたぐ子音の共起(CVC. CVC)も学習しているかどうかを調査した。2021年度に引き続き、Bernard (2017)の研究をもとにさらに3つの実験を日本語母語話者に行った。 子音母音子音の音節(CVC)からなる2音節語に、4つの子音(F, P, D, Z, K, V)を頭子音および尾子音に固定(e.g., baF.Pev)し、960の無意味語の音声を作成した。そのうち48の無意味語をトレーニング段階で2回調査参加者に聞かせた。実験段階では、以下の3つの実験の条件のもとで作成した無意味語をトレーニング段階の無意味語と併せて提示し、「前に聞いた語か」どうかを選択させた。Yesと回答する率(誤答率)が高ければ、トレーニングで使用した対象子音の音節内位置の生起制限、または音節間の子音共起の制限を学習し、一般化したとする。 実験1では、対象子音の出現位置が単語内中間で、音節間子音共起がトレーニング同じ単語 (e.g., beF.Pev, tiD.Zeb) と異なる単語 (e.g., tiF.Zet, teD.Pev) を提示した。実験2では、対象子音の出現位置が単語の端で、音節内位置がトレーニングと同じもの(e.g., Zev.buF, Peb.teD)と異なる (e.g., Fev.teZ, Det.vuP)ものを提示した。実験3では、対象子音の出現位置が単語内中間で、尾子音がトレーニングと同じもの(e.g., beF.Zek, tiD.Peb)と異なるものを (e.g., vuK.Zek, tiV.Pet)提示した。 上記3つの実験の結果を分析し、成果をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度に3つの実験のデータを取り終え、研究成果をまとめた。研究成果を国際学会 (ICPhS 2023)に応募し、査読を通過した。2023年度8月にチェコ共和国で成果発表を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を国際学会(ICPhS 2023, Czech Republic)で発表する(査読通過済み)。また、実験3に交絡要因を発見したため、新たに実験を1つ加える予定である。2023年度は、成果発表と併せて、引き続き残りの実験のデータ収集を行い、結果を分析する。
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Causes of Carryover |
当該年度に国際学会で発表する予定であったが、コロナ禍でデータ収集が進まず、研究成果の発表が間に合わなかった。しかし、2023年度には、4年に1度開催される当該分野の大きな国際学会があり、そこでの査読が通過し、発表が決定した。開催地がチェコ共和国であることと、円安の影響を受けて、旅費が当初予定より大きく上回るため、今年度予算と併せて使用する予定である。
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