2023 Fiscal Year Research-status Report
ピッチ変動を表すジェスチャーを活用した英語イントネーション指導法
Project/Area Number |
21K00741
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
堀 智子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (00269789)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 道子 文教大学, 経営学部, 教授 (30439343)
杉浦 香織 立命館大学, 理工学部, 教授 (50515921)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ピッチジェスチャー / 英語イントネーション / 知覚と産出 / 日本人英語学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「ジェスチャーが言語理解に加えて第二言語(L2)習得を促進する」という先行研究に基づき、(1)ジェスチャーが日本語話者の英語イントネーション習得に与える効果と、(2)その効果を高める条件を明らかにし、効果的なイントネーション指導法開発を目指している。これまでの実験で、ピッチ変動と一致するジェスチャーを音声と同時に提示すると日本語話者の英語イントネーション知覚の精度を高め、一致しないジェスチャーは知覚を阻害する効果があることを確認した。また、英語イントネーション知覚の正答率は下降調がもっとも高く、上昇調の知覚がもっとも困難であるが、ジェスチャーを提示することで上昇調も正答率が有意に向上することが分かった。 2023年度は英語イントネーションの産出(発音)に焦点をあて、ジェスチャーが産出に及ぼす影響を調査する実験を準備し、予備実験を行った。実験では、ジェスチャーの練習効果を調べるため、事前テスト、トレーニング(20分×4回)、事後テストの構成で行い、参加者を2群(ジェスチャー無とジェスチャー有)に分け、イントネーションのトレーニング動画を視聴・復唱練習の後、テストでは3つのイントネーションパターン(下降調、上昇調、下降上昇調)を発音してもらった。予備実験を通して、実施手順、トレーニング用動画の提示方法やテスト用試験文等の確認を行い、次年度の本年度に向けた再調整を行った。また、2022年度までの成果を論文としてまとめ、海外ジャーナルに投稿し、査読結果待ちである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ピッチジェスチャーの英語イントネーションの産出に与える影響をみる予備実験を準備する中で、トレーニング用動画作成とネット上で音声を収録するシステム準備等に想定以上の時間を要した。また、ネット上で実験参加者の音声収録をする際に、参加者のWifi環境が大きく影響し、安定した環境で実験を進められなかったため、2023年度中に本実験を終えることが出来なかった。2024年度には、今回の問題点を改善し本実験を実施する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は昨年度の予備実験をふまえ、ジェスチャーが英語イントネーションの産出(発音)に及ぼす影響をみる実験を行う。ジェスチャーの練習効果を調べるため、事前テスト、トレーニング(20分×4回)、事後テストの構成で行い、参加者をジェスチャーの有無でグループに分け、イントネーショントレーニング動画を視聴・復唱後、その効果を分析する。また、ジェスチャー有のグループでは、ジェスチャーを見る場合と参加者がジェスチャーを真似て手を動かす場合の条件による違いによる影響も検証する予定である。実験終了後は、実験結果に基づき、イントネーション習得に効果的なジェスチャーの活用方法、条件等を検討し、教材案作成を行う。
|
Causes of Carryover |
予備実験に想定以上の時間を要し、本実験実施と海外ジャーナルへの投稿が遅れたため
|