2021 Fiscal Year Research-status Report
理系分野におけるジャンルに基づくEAPライティング指標の構築と検証
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21K00743
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
マスワナ 紗矢子 東京理科大学, 教養教育研究院葛飾キャンパス教養部, 准教授 (60608933)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学術目的の英語 / EAPライティング / ライティング指標 / ジャンル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度は、昨年度までのプロジェクトで作成したライティング指標を参照し、EAPジャンルライティングにかかるさらなる指標項目の抽出を行った。また、CEFRや外部英語検定試験といった既存の指標に含まれているライティングに関する記述から、代表的なEAPジャンルの言語到達指標として該当するものを整理した。同時に、英語力およびライティング指標についての先行研究を用いて、EAPジャンルのライティング指標としてどのような提示方法が用いられているかの調査を行った。さらに、各ジャンルの特徴および必要とされる英語力とジャンルの知識をEAP教員と専門家への聞き取り調査によって検討した。聞き取り調査では、ジャンル能力の構成概念や、ジャンルに基づく指導法などについての質問を含んだ。EAP教育は環境の影響を大きく受けることから、日本の大学生の置かれた文脈を考慮するために、高校の検定教科書で使用されている指導書や参考資料などでのライティングにかかる記述を調査した。これらの知見を得て、EGPからEGAP-ESAPライティングへの移行期間での語彙使用と文章作成の指導方法も考察した。昨年度に研究代表者が行った高校生のエッセイ分析結果および上記の調査結果に基づき、学術語彙を学ぶためのタスクや書き手の責任の意識化に焦点をあてた議論を含む論文を発表した。また、大学入学時での英語力および学習観を踏まえた大学1・2年生を対象としたEAPジャンルのライティング指標の素案を作成した。以上の研究成果を国際学会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究はジャンル間のみならず教育段階間の橋渡しを可能にするライティング指標構築を目指しているが、次年度のプロトタイプ作りのために項目抽出を継続して行っている段階である。STEM分野のジャンルライティング能力についての調査、特にESAPで求められる英語力とジャンル知識の項目抽出をさらに進める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に整理されたEAPライティング指標項目を精査し、ライティング指標プロトタイプを作成することが主な活動内容となる。指標項目の足りないジャンルについては、2022年度前半にEAP教員と専門家へのインタビューを含む調査を行う。前年度の調査で得られた結果を使用し、それぞれのジャンルで必要となる言語能力とジャンル知識をCan-do形式で記述および評価のためのルーブリックの形式に書き換え、指標を作成する。それらをもとにして実際のEAPライティングを複数の教員で評価し、ライティング指標として機能するかを検証する。結果に基づき記述文を修正し、ライティング指標プロトタイプを作成する。国内外の学会や学術誌などを通して、以上の研究成果を発信する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により学会がオンライン開催となったことと、聞き取り調査をオンラインで実施したことから次年度使用が生じた。次年度では、学会での発表および実地での聞き取り調査のために使用する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Developing quality assurance benchmarks and professional development schemes for EAP education in Japan2021
Author(s)
Iijima, Y., Maswana, S., Watari, H., Yamada, H., Takahashi, S., & Kanamaru, T.
Organizer
BALEAP Conference
Int'l Joint Research