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2021 Fiscal Year Research-status Report

継続的な語彙指導がライティングの流暢さと語彙使用の正確さに与える影響の検証

Research Project

Project/Area Number 21K00760
Research InstitutionTottori University

Principal Investigator

滝波 稚子  鳥取大学, 教育支援・国際交流推進機構, 助教 (10748859)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords授業形態 / 理解度 / ペアワーク / 有効性
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、明示的な語彙指導とフリーライティング活動を継続的に行うことが、ライティングの流暢さと語彙力にどのような影響を与えるか調査する。初年度(令和3年度)はデータ収集の準備として、①ターゲット語彙を選び、②語彙指導教材を作成し、③アンケート調査を行った。
①教科書が被験者の専門分野に関係した内容のものから一般的な内容のものに変わり、教科書のターゲット語彙における中学学習語と高校学習語が増えたこと、また被験者と同じ学部に所属し、同じ学年の学生68名を対象に実施した単語テストのスコアの推移と平均点から、教科書のターゲット語彙すべてを本研究のターゲット語彙とした。
②教科書のターゲット語、その品詞と意味の一覧表を配布し、単語テストを実施し、学期末に上記の学生68名にアンケート調査を行った。その結果、一覧表はあまり活用されなかったことが明らかになり、一覧表の活用を促すためライティング課題の指示文を修正した。さらに単語テストの改善点も明らかになり、タイピングスキルや使用機器によって結果に差が出ないよう解答方法を変更した。
③学部生303名を対象に、英語科目における3つの授業形態(対面授業、ライブ型オンライン授業、オンデマンド型オンライン授業)の理解度や満足度について調査した。その結果、授業の理解度に関しては3つの授業形態間で有意差はなく、それ以外の項目(例:教員と学生または学生同士のやりとりの量)に関しては対面授業とライブ型オンライン授業の2つのグループと、オンデマンド型オンライン授業の間で有意差があった。さらに、ペアワークがうまくいったかどうかに関しては対面授業とライブ型オンライン授業の間でも有意差があった。オンライン授業では対面授業ほどペアがうまく機能しないことが分かり、研究計画は対面授業を想定し作成されたため授業内活動を見直した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、語彙使用力の向上に効果的であるとされる明示的な語彙指導と、流暢さの向上に効果的であるとされるフリーライティング活動を1年間継続的に行うことで、フリーライティング活動の学習効果が高まるか検証する。そのために、まず語彙指導教材を作成し、次に授業でその教材を使用し、同時にライティング活動を行い、さらに収集したデータを分析する。また、研究成果をライティング教材開発などに役立てることを視野に入れている。これらの作業のうち、令和3年度は①ターゲット語彙を選び、②語彙指導教材を作成した。
①教科書が変わったことでターゲット語彙の中から専門分野に関係したものがほとんどなくなり、中学学習語と高校学習語が大幅に増えた。そのため、教科書のターゲット語彙すべてを本研究のターゲット語彙とすることができた。
②研究計画は対面授業を想定し作成されており、語彙指導はプリントを用いて実施される予定であった。しかし、令和3年度はコロナウイルス感染状況により授業は対面またはオンラインで行われ、次年度にすべての授業を対面で実施できるかどうか不確かであった。そのため、プリントではなく、教科書のターゲット語、その品詞と意味の一覧表を電子的に作成し、LMS (Learning Management System)を用いて単語テストやライティング課題を作成した。
授業形態に関して想定していなかった状況にあり研究計画の変更が必要であったが、現段階では研究はおおむね順調に実施できていると思われる。

Strategy for Future Research Activity

令和4年度はデータを収集する予定である。具体的には、授業で語彙指導やライティング活動を行い、単語テストやアンケート調査も実施する予定である。
本研究の実施計画は対面授業を想定し作成されたが、令和4年度もコロナウイルス感染状況によりすべての授業を対面で実施することができない可能性があった。そのため授業形態に関わらず研究を実施できるように授業の進め方やデータの収集方法を変更する必要があった。以下に①主な課題と②対応策を述べる。
①まず、授業内でデータを収集することが困難である。オンライン授業は対面授業に比べて進度が遅く、通常の授業に当てる時間を確保すると計画していた活動をすべて授業中に行うことは難しい。次に、ペアワークをサポートすることが困難である。計画していた活動の多くがペアワークであるが、オンライン授業ではペアワークがうまくいっているか確認し、うまくいっていないときにサポートすることが難しい。さらに、データの収集方法を統一することが困難である。オンライン授業では辞書や翻訳ツールの使用、教科書やウェブサイトの参照を制限することが難しい。
②まず、ライティング後のフォローアップ活動を授業中にペアで行う代わりに、LMS上にすべての作文を公開して共有する。そうすることで同じような効果(読み手を意識して書くようになる、自分の作文に対する間接的なフィードバックを得る)が期待できる。また、一文レベルの英作文活動を授業中にペアで行う代わりに、ライティング課題の指示文を修正し、作文中でターゲット語彙を正しく使うことを促し、辞書の使用や教科書の参照は制限しないこととする。そうすることで似たような効果(文中の正しい語彙使用に焦点を当てたライティング活動)が期待でき、辞書や教科書の例文に少し修正を加えただけの英文が集まることを防ぐことができる。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた主な理由:新型コロナウイルスの影響で学会がすべてオンラインで開催され、旅費が不要だったため。
使用計画:参加を予定している学会とは別の学会にも参加する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 英語の授業形態と理解度・指導法に関するアンケート調査の結果報告 ーコロナ禍とポストコロナにおける授業形態の検討ー2022

    • Author(s)
      小林昌博、滝波稚子
    • Journal Title

      鳥取大学教育支援・国際交流推進機構教養教育センター紀要

      Volume: 18 Pages: 43-51

    • Open Access

URL: 

Published: 2022-12-28  

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