2022 Fiscal Year Research-status Report
継続的な語彙指導がライティングの流暢さと語彙使用の正確さに与える影響の検証
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21K00760
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
滝波 稚子 鳥取大学, 教育支援・国際交流推進機構, 助教 (10748859)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ライティング / 語彙 / 継続的な学習 / 流暢さ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、明示的な語彙指導とフリーライティング活動を継続的に行うことが、ライティングの流暢さと語彙力にどのような影響を与えるか調査する。 令和4年度は、対面授業でもオンライン授業でも研究を実施できるようにデータ収集方法を変更し、データを収集した。具体的には前期・後期の授業で、ターゲット語彙に関するアンケート調査、単語テスト、ライティング課題、ライティングテストを実施した。 語彙について、前期の初回の授業で教科書のターゲット語彙、その品詞と意味の一覧表を配布した。その一覧表にあるターゲット語彙について、前期・後期それぞれの始めと終わりにアンケート調査を行った。アンケート調査は、日本語の意味に対応するターゲット語を書かせるものであり、紙に印刷された。また、全てのターゲット語を出題範囲として、前期・後期の毎回の授業で単語テストを実施した。単語テストは、日本語の意味に対応するターゲット語を選ばせるものであり、LMS (Learning Management System)を用いて作成された。 ライティングについて、前期・後期の毎回の授業でライティング課題を課した。ライティング課題は、教科書の文章やビデオに関連することで、教員が知らないと思われることを書かせるものであり、LMS (Learning Management System)を用いて作成された。ターゲット語を使用するとポイントが加点された。また、前期・後期それぞれの中間期と学期末にライティングテストを実施した。ライティングテストは、制限時間内に与えられたトピックについて書かせるものであり、紙に印刷された。トピックはテスト開始時に与えられ、辞書や翻訳ツール等の使用は許可されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、語彙使用力の向上に効果的であるとされる明示的な語彙指導と、流暢さの向上に効果的であるとされるフリーライティング活動を1年間継続的に行うことで、フリーライティング活動の学習効果が高まるか検証する。そのために、まず語彙指導教材を作成し、次に授業でその教材を使用し、同時にライティング活動を行い、さらに収集したデータを分析する。また、研究成果をライティング教材開発などに役立てることを視野に入れている。 令和4年度は、授業で語彙指導教材を活用し、ライティング活動を行い、データを収集した。コロナウイルス感染状況により授業形態が変わってもデータ収集を継続できるように研究計画を見直さなければならなかったが、授業内外で必要なデータをほぼ全て収集した。ライティング課題をLMS (Learning Management System)を用いて作成したため手書きの課題作文を電子化する必要がなくなった。しかし、手書きのライティングテストの電子化と、ターゲット語彙に関するアンケート調査への回答の確認がまだ終わっておらず、現段階で研究はやや遅れていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度はデータを分析する予定である。具体的には、前期・後期の授業で実施したターゲット語彙に関するアンケート調査の結果を比較し、単語テストのスコアの推移を分析する。また、ライティング課題におけるターゲット語彙の使用について分析し、前期・後期それぞれの中間期と学期末に実施したライティングテストについては総語数、異なり語数、高頻度語と低頻度語の語数、文の数、一文あたりの語数、ターゲット語彙の使用を比較する。さらに、主語と動詞の対応、動詞の形態、動詞の時制、代名詞、語順など、100語あたりの文法ミスを分析する。そして、語彙力の伸び、ライティングの流暢さと正確さの間に相関性があるか調べる。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由:新型コロナウイルスの影響でオンラインで参加できる学会やワークショップ、セミナーが多くあったため。私事のため、市外で開催される学会等に参加することができず、旅費が不要だったため。 使用計画:参加を予定している学会とは別の学会、ワークショップ、セミナー等にも参加する。
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