2022 Fiscal Year Research-status Report
Verification of Interaction in the HyFlex Class and Application to Educational Practice based on PC Simulation
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21K00773
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
砂岡 和子 早稲田大学, 政治経済学術院, 名誉教授 (70257286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉江 聡子 札幌国際大学, 観光学部, 准教授 (90795048)
曲 明 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (60727064)
王 松 関西外国語大学短期大学部, 英米語学科, 准教授 (80580654)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HyFlex Class / Hybrid teaching / Action Research / Simulation Model / Interaction Design / Legacy of HyFlex |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍の収束とともに,大学授業を対面に戻す動きが加速し,本研究チームの各分担者も自校でのハイフレックス授業が事実上実施不可能となった.そこで令和4年度は,対面授業を観察対象として分析を進めた.授業担当教員は全員,前年度ハイフレックス授業の実施経験を有し,並行してHyFlex ClassのAction Researchとその分析を継続していたため,対面授業にハイフレックス型授業の遺産を活かすことができた. 具体的には,前年度収録した初修中国語ハイフレックス授業の解析を進め,その分析結果につき複数の研究報告を行った.また,ハイフレックス授業実施三大学における実践を振り返り,三教員がそれぞれ実施の実態と課題を整理し,大学授業のステークホルダー別に評価と改善策を検討した.その結果,組織は継続してハイブリッド型授業に適したインフラ環境の整備構築と通信機器運用支援制度を改善すること,教員は事前に対面と遠隔両モードの学習活動やインタラクションをデザインした教材作成やタスク設計が不可欠であること,学生はオンライン学習時の時間管理や学習方法の調整能力が不足である等の諸課題が明らかになった.中間結果は,論文として近日公開予定である. また副産物として,リモート授業か否かに拘らず,教員の授業スタイルが発音訓練とパターンプラクシス偏重で,大規模初修クラスの制約により,教員主導で学生の学習活動参与比率が小さいことが改めて浮き彫りになった.同様の傾向は,令和4年度春学期の対面授業に対する,四大学共通学生アンケート結果でも確認できた.そこで専門家を招いて座談会を二回開催し(第二回目は公開),「中国語発音と初級文型の教授方略」に関する経験交流と討論を行った.別途,熟練教員の授業中発話の特徴,および習得目標言語とコミュニケーション用言語のCode Switchingに関する調査を,言語処理学会で報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度研究計画のうち、ハイフレックス授業は実施できなくなり,令和4年度は対面授業を観察データとして分析を進めた.分析対象の変更を余儀なくされたものの,前年度ハイフレックス授業の実施経験と分析は継続していたため,対面授業にハイフレックスモデルの遺産を活かすことができ,研究計画は比較的順調に進展している.対面授業の振り返りにより,授業デザインと教授方略を再考する結果となり,研究の幅が広がった.
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度も,研究分担者の所属校でハイフレックス授業を実施することは難しいと予測され,対面授業にハイブリッド型授業の遺産を活かす実験を継続する.具体的には,前年度ハイフレックスモデルの中間検証で得られた知見のうち,「オンラインモード参加者の学習疎外感」解消策として,対面参加学生による協働作業を授業に組み込み,その成果を欠席学生やクラスメートと共有する実験を行い,両者インタラクションの活性化と,学生の能動性・自律性の向上効果を検証する. 期待した成果が得られれば,これを対面遠隔両モード間に密なインタラクションがあるハイフレックス授業設計に活かすことができる.対面授業でも,学生主導のグループ活動を取り入れることで,大規模クラスの指導活性化に貢献する.期末に四大学共通半構造化学生アンケートを実施して,授業実験の成果を検証する. これらの検証を経て,最後にハイフレックス並びにハイブリッド型授業の実施マニュアルを作成し、日米中など他地域の研究者に査読を依頼し,最終評価版を作成して公開を行う.
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Causes of Carryover |
令和4年度研究計画のうち、海外研究機関に委託し,HyFlex語学授業の分析を行う計画であったが,科研分担者の勤務校では対面語学授業が推奨され,HyFlex授業ができなくなったため,委託経費が未使用となった.また当初予定していた研究成果の発表や,学会活動の諸経費も,Zoomによるハイブリッド開催となり,旅費を必要としなかった.これらの制約を踏まえ,次年度は対面授業にも活かせるブレンド教育デザインの構築とそのシュミレーションに向け,実践応用のマニュアル作成経費および,研究成果や学会参加経費に充てる計画である.
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Remarks |
北京語言大学の牟世栄教授と聞亭講師を招き,「中国語初級課程のインタラクション方略」に関する国際座談会をZoomにより2回開催した,一回目は科研メンバー限定で,二回目は定員30名の公開講座とし,日本全国から中国語教員が参加した.
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Research Products
(24 results)