2021 Fiscal Year Research-status Report
小学校英語識字難民化リスク回避のためのOGメソッド型マルチセンサリー指導法の開発
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21K00785
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
荒尾 浩子 三重大学, 教育学部, 教授 (90378282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 麻衣子 武庫川女子大学短期大学部, 共通教育科, 准教授 (30290414)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 英語学習者 / 読み書き / OGアプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
英語圏でのディスレクシア研究に関する論文、専門書を多くから、文献研究を深めた。ディスレクシアには、多数の種類が存在し、その分類方法も多様であるが、Wood(2006)の分類方法を基に、日本語母語とする英語学習者に当てはめることを思索した。 英語特有の正書法のシステムが要因となって起きるディスレクシアがあるが、さらにそこに日本語特有の正書法のシステムとの違いによる困難が重なることで、英語による読み書きの困難は複雑化する。まずは日本語の正書法と文字タイプを明示し、英語との比較により生じている困難を分析した。それを基に日本語を母語とする英語学習者に見られる英語の読み書きに困難が生じるディスレクシアには多数の種類があるが、日本語母語話者の英語学習者の大半は、そのカテゴリーの中で、「マイルドディスレクシア」もしくは「ディスレクシア症状」に分類されると考察した。 これらの種類のディスレクシアへの指導方法を日本の英語教育で応用する可能性を探求した。指導方法の適切な選択には各学習者の学習スタイルの把握が重要となるため、学習スタイルの識別には、イギリスディスレクシア協会が提案し3つに大別される学習スタイルに依拠する妥当性を考察した。その学習スタイルを踏まえた上で、英語圏で活用されているOGアプローチが日本語を母語とする英語学習者に応用的に利用できる可能性を思索するためOGアプローチの理論や実践的な方法の論究を深めた。 OGアプローチで最も重要である視覚、聴覚、運動感覚の3つを強化する指導方法の多くを調査した。英語圏ではディスレクシアの指導方法として一般の外国語学習で見落とされがちな運動感覚を刺激し学習を促進するための教材や教具が多く開発されており、日本での応用的活用のための示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
英語圏でのOGアプローチを用いた指導方法の理論的な研究は進み、開発されている教材についても研究は進行しているが、実際に教育現場で使用されている現状や指導方法の実践についての情報が限られているため実践方法についての把握がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
OGアプローチの実践者にコンタクトをとって、聞き取り調査を実施することで、実践方法の現状把握に繋げる。同時に日本における英語の読み書き指導での優位的な学習スタイルの調査の実施結果を基にOGアプローチの応用方法を考察し検証につなげていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響によりメソッドを使用している実践現場の視察や聞き取り調査を行うために現場に赴くことができなかったことと、オンラインによる学会発表となったので、旅費が支出されなかった。延期している調査や予定している学会発表に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)