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2021 Fiscal Year Research-status Report

首里・首里城の儀礼に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 21K00837
Research InstitutionOkinawa Prefectural University of Arts

Principal Investigator

麻生 伸一  沖縄県立芸術大学, 音楽学部, 准教授 (30714729)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
Keywords琉球 / 首里 / 儀礼
Outline of Annual Research Achievements

本研究の初年度となる2021年度は、つぎのような研究活動を行った。
①史料収集とデータ化 研究に関連する史料について、デジタル化・テキスト化をすすめた。デジタル化した史料は、琉球史の基礎資料である『球陽』である。『球陽』には諸本があるが、そのなかで尚家本をデジタル化した。また尚家文書のうち本研究に関わる史料のテキスト化をすすめた。テキスト化(テキストの入力、校正)をすすめた史料は「尚泰様御元服ニ付聞得大君御殿江御参拝日記」(尚家文書28号)、「冠船付崇元寺御参拝日記」(尚家文書67号)、「冠船付崇元寺御参拝日記」(尚家文書156号)などである。
②史料調査 2022年3月17日に、那覇市歴史博物館にて史料調査をおこなった。調査した史料は、「百浦添御普請絵図帳」(尚家文書500号)である。調査では当該史料の熟覧とデジタルカメラでの撮影をおこなった。
③研究会 「真栄平房昭『琉球海域史論』(上・下)合評会:琉球史の視点から」というタイトルにて、琉球沖縄歴史学会2021年8月例会で書評報告をおこなった。『琉球海域史論』は海域史論という表題ではあるが、琉球の王権論とも不可分の研究内容を含むもので、とくに冊封に関する儀礼について取りあげて検討した。
④原稿 本研究が開始される昨年度までに文章化は完了していたが、刊行に際する校正については、本研究で得られた知見等を用いた。「近世琉球期の首里城」(高良倉吉監修、島村幸一編『首里城を解く:文化財継承のための礎を築く』勉誠社、2021年)、「アジアの中の琉球」(吉澤誠一郎 監修、石川博樹ほか編著『論点・東洋史学-アジア・アフリカへの問い158』ミネルヴァ書房、2022年)として公表された。また、あらたに「百浦添御殿普請にかかる儀礼・儀式について」(『国宝「琉球国王尚家関係資料資料集 首里城御普請物語』那覇市、2022年)を執筆することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の目的として挙げていた基礎史料の収集と分析については、おおむね実施できていると判断した。なによりも基礎資料である尚家本『球陽』のデジタル化をすすめることができたのはよかった。ただし、尚家本『球陽』のすべてをデジタル化できた訳ではない。次年度も引き続きデータ化をすすめていきたい。
そのほかにも、今後の研究の基礎的な史料となる尚家文書のテキスト化をすすめることができた。今後は、さらなるテキスト化とともに、史料の読み込みをおこなっていきたい。
研究初年度と二年次の研究課題を「首里城書院・鎖之間における儀礼空間の創出と展開」としていた。首里城内にある儀礼空間である書院や鎖之側における儀礼や接遇の展開を考える予定であったが、想定より関連する史料がすくないことが分かってきた。本研究における検討課題および課題のすすめ方の修正の必要性もふくめ、今後の研究方針を再検討したい。

Strategy for Future Research Activity

当初、初年度と二年度は「首里城書院・鎖之間における儀礼空間の創出と展開」を検討課題としていたが、あらたな史料の発掘がむずかしいと思われる。一方で、初年度には「百浦添御殿普請にかかる儀礼・儀式について」(『国宝「琉球国王尚家関係資料資料集 首里城御普請物語』那覇市、2022年)を公表した。本稿は、首里城正殿の修築にかかる儀礼や儀式について取りあげたものであるが、王宮の再建という国家的イベントにおける儀礼の意義や首里居民の役割を検討することができた。本稿は、今後の研究の起点になると思われるので、「首里城書院・鎖之間における儀礼空間の創出と展開」に関する史料を捜索しながら、首里城や首里地域でおこなわれた国家儀礼に関係する史料の収集をおこないたい。その際、昨年度からの継続として『球陽』をデータ化しつつ、本研究の基礎史料である尚家文書に所収される関連史料のテキスト化をすすめる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022 2021

All Presentation (1 results) Book (3 results)

  • [Presentation] 書評「真栄平房昭『琉球海域史論』(上・下)合評会:琉球史の視点から」2021

    • Author(s)
      麻生伸一
    • Organizer
      琉球沖縄歴史学会
  • [Book] 国宝「琉球国王尚家関係資料」資料集 首里城御普請物語2022

    • Author(s)
      那覇市歴史博物館
    • Total Pages
      218
    • Publisher
      那覇市
  • [Book] 首里城を解く2021

    • Author(s)
      高良倉吉、島村幸一
    • Total Pages
      336
    • Publisher
      勉誠出版
    • ISBN
      9784585320012
  • [Book] 論点・東洋史学2021

    • Author(s)
      吉澤 誠一郎、石川 博樹、太田 淳、太田 信宏、小笠原 弘幸、宮宅 潔、四日市 康博
    • Total Pages
      378
    • Publisher
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623092178

URL: 

Published: 2022-12-28  

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