2023 Fiscal Year Annual Research Report
近代法体系形成期における地域資産の運営実態―福山義倉を事例として―
Project/Area Number |
21K00862
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Research Institution | Hiroshima University of Economics |
Principal Investigator |
平下 義記 広島経済大学, 経済学部, 准教授 (20780810)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 義倉社 / 義倉 / 近代法 / 民法 / 商法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画の最終年度にあたる2023年度では、以下の研究実績をあげることができた。①査読付き学術雑誌『社会経済史学』に投稿し、掲載可となった(掲載号未定)。そこでは、旧福山藩領の「義倉社」を事例として、近代法体系が地域資産としての「義倉社」の運営実態を大きく変化させ、それが地域貢献を選択する上での重要な要因となっていたことを突き止めた。②研究計画に関連する歴史資料を発掘し、継続的な調査を行った。具体的には、『芸備日日新聞』、『中国新聞』などの地元新聞記事の調査、町村役場文書の調査、などが該当する。 研究計画期間全体を通じて実施した研究成果について述べる。本研究は、法制史研究と地域社会史研究の接合、相互乗り入れによる新知見の提供を最終的な目標として計画された。具体的には、商法・民法を頂点とする近代法体系の形成が、地域資産、これは近世後期の地域社会で形成された地域社会の持続的再生産を目指した共有財産であったが、その地域資産の再編にどのような影響を与えたのか(あるいは与えなかったのか)を実証的に明らかにすることを狙った。その際の具体的な事例として、本研究では、旧福山藩領の「義倉社」を取り上げ、その内部史料と地域の周辺史料を調査、分析することで作業を進めてきた。その結果、上記の①論文で明らかにしたように、地域資産の経営者が地域貢献を選択する上で、近代法体系の法理が決定的に重要な役割を果たしていたことが明らかとなった。
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