2021 Fiscal Year Research-status Report
古文書・古記録の原本調査および絵画史料の赤外線撮影による中世大名領国像の再構築
Project/Area Number |
21K00878
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
鹿毛 敏夫 名古屋学院大学, 国際文化学部, 教授 (60413853)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 古文書 / 原本調査 / 中世 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、主に民間の旧家や寺社等に保管されている中世の古文書・古記録類に関して、翻刻された活字史料集との異同を確認する原本調査を実施し、また、特に劣化した絵画史料や古文書類を赤外線カメラで撮影して下絵や摩滅で肉眼視できない作成当時の情報の判読に努めるものである。 初年度は、北部九州と四国地域の旧家・寺社等が保管する諸史料の原本調査を重点的に実施した。特に、本プロジェクトの予備調査として実施していた旧対馬藩武家の末裔に伝わる古文書類の原本調査については、引き続き実施した今年度の活動で、計50点の中・近世史料の解読と翻刻を終え、その成果を各古文書の写真資料を添えて誌上公開し、史料現蔵者にも成果を提供することができた。一連の活動を通じて、研究者として史料を一方的に利用するのみでなく、史料の現蔵者・旧蔵者との信頼関係を構築することができた実感もあり、歴史文化財の価値の再認識とその散逸防止の意識を社会的に広めることができたと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの社会的蔓延による影響は否めないものの、比較的に流行が落ち着いた時期に重点的に原本調査を行うようスケジュールを臨機応変に組み替えたことで、研究はほぼ当初計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
地道で時間のかかる活動ではあるが、史料の原本所蔵元や既散逸情報のある旧蔵元への探訪により、史料を「再発見」したり、「新情報」を得ることができ、その成果により、従来の研究成果の盲点や誤解・誤謬を解消して新たな歴史像の構築に資することが可能となる。依然コロナによる活動の制約はあるが、こうした独自性ある研究活動を幅広く推進していくことで原史料に裏付けられた新たな歴史像を創造していきたい。
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Research Products
(6 results)