2023 Fiscal Year Annual Research Report
History of Sogdians as seen from coin legends in Sogdian script
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21K00896
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
吉田 豊 帝京大学, 付置研究所, 教授 (30191620)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ソグド語 / ソグド人の歴史 / シルクロードのコイン / チュー河流域のソグド人都市 / アクベシム遺跡 / 砕葉鎭 / 西域 / 玄奘 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度には,以下のような成果があった.コインの研究では8月に帝京大学文化財研究所の発掘が行われている,キルギス共和国のアクベシム遺跡を訪れるとともに,23年度の春のシーズンに行われた発掘により出土したコイン10点を調査整理した.それとは別に,2016-2019年度の発掘で出土した50点のコインも同様に調査した.調査はサイズや重量以外に,銘文が読み取れるものについては解読を行った.加えてこれまでキルギス共和国で出土しているコインと比較し,どの型式に分類されるかも明らかにした.これらの調査結果は,文化財研究所の発掘成果報告書に表裏のカラー写真と共に掲載される.さらに一般の読者向けに,「アクベシム遺跡出土のコインと分析科学の接点」と題する解説を,『アジア遊学』誌に寄稿した. ソグド語とソグド人の歴史に関する研究として,玄奘三蔵法師(602-664)の旅行記である『大唐西域記』と『慈恩伝』に見える玄奘のソグドについての記録を,ソグド語研究者の立場から分析した論文と,唐の時代の中国人が記録したソグド語と,同じ時代ソグド人が記録した中国語について英語論文を発表した. 研究期間全体を通じたコインについての研究では,キルギス共和国のチュー河流域のソグド人都市で出土しているコインについて,現地の研究者によりロシア語で書かれた研究成果について,重要と思われる論文や書籍を翻訳し,その内容を批判的に検討した上で訳注を添えてまとめた.別に,研究所は現在日本国内の収集家の協力を得て,ソグド語圏およびその周辺,つまりシルクロード地域で出土したコインについての共同研究を行っており,その過程で,ソグド語銘文のあるコインについて新しく解読した銘文や,新たに発見した事実をまとめて論文にした.これらの研究成果は帝京大学文化財研究所が出版を予定している『シルクロードのコイン』2024に収録される.
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Research Products
(5 results)