2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on History of Japanese-African Relations during World War II Through An Analysis of War Survivors' Experiences
Project/Area Number |
21K00897
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
溝辺 泰雄 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (80401446)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 第二次世界大戦 / アフリカ人兵士 / インドビルマ戦線 / 旧日本軍 / 日本アフリカ関係史 / 植民地主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度にあたる令和5(2023)年度は、COVID-19による影響は緩和されたもものの、ウクライナ戦争および極度の円安状況による海外渡航費の急騰等により、当初予定していたアフリカ諸国における調査の規模を縮小し、これまでの海外調査が手薄だった東南部アフリカ地域での調査に注力した。具体的には、南アフリカ国立軍事博物館において、第二次世界大戦期における南アフリカのアフリカ人兵士に関する資料調査、ザンビア北部キトゥウェ市に存在する「戦争記念碑」に関する現地調査、さらに、ケニア国立博物館における第二次世界大戦関連の展示品調査、を実施した。南アフリカ国立軍事博物館においては、第二次世界大戦期の北アフリカおよび東アフリカ戦線における南アフリカ兵士、同大戦期の南アフリカにおけるイタリア人捕虜の人数および抑留生活の実態について詳細な情報を得ることができた。ザンビアにおける調査では、首都ルサカよりンドレ経由で北部コッパーベルト州の州都キトゥウェを訪問し、記念碑の存在(所在地)を確認した上で、刻印された碑文の内容を確認したことに加え、ま碑の側面には1933年に設立された北ローデシア連隊の軍章が刻印されていることも確認できた。同連隊は北ローデシア警察隊(The Northern Rhodesia Police Force)を起源として1933年に設立されたイギリス人とアフリカ人の混成部隊である。さらに、ケニア国立博物館における第二次世界大戦関連の展示品調査では、現在のケニア政府「公式」の第二次世界大戦とケニアの独立の関連性を指摘する下記の評価と「普通除隊証明書」に関する情報を収集することができた。また、長らく研究上の交流のあるナイジェリア大学のC.C.オパタ氏による第二次大戦期ナイジェリア東南部の対日本観の変遷に関する英文論考の邦語訳にも取り掛かり、年度末に研究誌に掲載されるに至った。
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