2021 Fiscal Year Research-status Report
Basic study on the burnt clay block occurred with the making pottery: Exploring the place where prehistoric pottery made
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21K00966
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Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
岡田 憲一 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 指導研究員 (20372170)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 先史時代 / 土器製作 / 焼成粘土塊 / 実験 / 被熱履歴分析 / 胎土分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究としては、埋蔵文化財天理教調査団所管の布留遺跡堂垣内地区出土、縄文時代の焼成粘土塊の観察、および出土縄文土器の検討、さらに、焼成粘土塊復元製作焼成実験を、研究協力者の小畑直也、河本純一両名とともに行った。焼成実験は、複数回のオンライン会議により実験計画を策定した上で、2021年12月に粘土塊試験体製作、2022年1月に焼成実験を実施した。本実験では、出土状況に照らし、地面に設置した粘土塊が表面より被熱した条件とし、焼成時間をパラメータとして、粘土塊試験体を焼成し、焼成後の外面および断面の観察を行い、実物資料と比較、検討した。結果は、試験体と実物資料の類似点は少ないものとなった。ただし、実験の課題が明確になったため、次回実験の具体的計画策定を行い、2022年度に実施することとした。この実験により、特徴的な布留遺跡出土焼成粘土塊の形成過程を具体的に明らかにできると考える。 このほかに資料調査として、縄文時代の土器焼成遺構として知られる茨城県東大橋原遺跡出土遺物の実見、検討を行ったほか、近畿地方出土の焼成粘土塊の資料集成に着手、一部については実物観察を行った。 研究成果報告としては、日本文化財科学会大会において、研究協力者の小畑直也と岡田が連名で、秋津遺跡出土焼成粘土塊の被熱履歴に関するポスター発表を行い、今後の研究を進展する上での有益な意見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、資料実査に支障をきたしたため、各地の実物資料の観察については遅延があるものの、その他の研究については概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に引き続き、粘土塊焼成実験を継続し、布留遺跡堂垣内地区出土焼成粘土塊の形成過程について学会発表を行う。また、布留遺跡堂垣内地区出土土器の整理とともに、土器型式把握、土器胎土の類型的把握を行い、胎土分析に供試することによって、同遺跡出土の焼成粘土塊と比較検討する。なお、基礎資料としての布留遺跡堂垣内地区発掘調査報告書の刊行準備も進めており、本年度に刊行予定である。 これと併行して、西日本を中心とする焼成粘土塊資料の集成を継続するとともに、各資料の実査を行い、焼成粘土塊の分類、評価基準を策定する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、2021年度に計画していた資料調査が実施できなかったこと、ならびに研究支援者の出勤が見込めなかったことから、旅費、人件費・謝金に大幅な残が出ることとなった。次年度は、研究代表者、研究協力者とともに、各地の資料実査ならびに複数回の実験を計画しているほか、研究協力者により資料集成の目途も立っており、計画的に執行できる予定である。
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Research Products
(2 results)