2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K00971
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小柳 美樹 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員教授 (40436671)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中国考古学 / 農業考古学 / 青銅製農耕具 / 呉 / 越 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19の流行の影響によって、研究期間を通じて中国本土による調査・研究ができず日本国内での研究進行となった。中国の研究者たちとはインターネット通信などによりほぼリアルタイムに緊密な情報交換・情報提供を受けることができたことは今後の海外調査・研究においての新たな研究方法の一手段を獲得したといえる。 資料集成については、分布・消長を確認しながら、型式編年研究の精査につとめ、その生産・流通・廃棄および埋納の過程を統計的な解析を進めた。これによって農耕具の考古資料から当時の呉越社会について解明することを目的とした。既公表資料の図版については再トレースによる図半の統一化を進めた。また出土地点・位置、年代についてできるだけ精査を進めた。当初の計画では現地において、青銅製農耕具の同范物を抽出し関係性を見いだすことも目的のひとつであったが、現地において実施できなかったことは遺憾である。将来的な課題として挙げられる。 中国現地での農耕資料の実見が困難であったため、日本国内での在来農耕具での比較研究を精力的に進めることを研究課題として加えた。特に江南地域と地理的環境が類似する低湿地・干拓地等における在来農耕具の資料収集、水田造成に用いられた農具(例えば畦切り鎌)について考察を進めた。その研究成果のひとつとして、論文『「破土器」とは何か』(『中国文明起源の考古学』59~73pp、2024年所収)を公表している。また、青銅製農耕具の前段階に位置する石製農耕具についての概要を新石器文化期の石器様相の一部として論文「浙江考古学よりみた新石器文化期の石器」(『中国新石器時代文明の探求』21~68pp、2023年所収)において提示している。 総じて言えば、呉越地域における領域内での研究をさらに進め、その考察をひとつの基礎資料として、他地域との比較研究へと発展させるべきであると認識している。
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Research Products
(1 results)