2023 Fiscal Year Research-status Report
アイヌ文化の何をどう学ぶかー多文化共生のための博物館活用文化学習のデザインと評価
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21K00999
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 優香 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 客員研究員 (40413893)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アイヌ文化学習 / 教育プログラム / ミュージアム / プログラム開発 / アイヌ文化 / 博物館教育 / ミュージアムエデュケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はこれまでに引き続き、博物館におけるアイヌ文化学習の様相の整理と課題分析を行うために、現在実施されているプログラムについて調査を行った。 実踏の調査としては、国立歴史民俗博物館、北海道立北方民族博物館、旭川市立北門中学校(郷土資料室、地理幸恵資料室)、旭川市立博物館、川村カ子トアイヌ記念館、函館市立博物館、函館市北方民族資料館、萱野茂二風谷アイヌ資料館、平取町二風谷アイヌ文化博物館、北海道立近代美術館を訪問した。各館において、アイヌ文化に関する展示と、教育プログラムの実態について調査し、展示やプログラムの開発及び実施について展示担当者や教育プログラム担当者へのヒアリングを実施した。 本研究の2つ目の柱である「プログラムが対話的かつ創造的に機能するための内容と手法の検討」としては、昨年に引き続きアイヌ文化学習のためのワークシート開発を支援するツールについて検討した。1)企画の際に使用するものと、2)試行実践後に使用するものについて、昨年までの版を試行に基づいて改訂し試行の後、再改訂して検討した。シートを記入する際に添える解説によって記入内容やプログラム開発への理解が変化することから、次年度はシートに添える解説について検討し、完成を目指す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3年間の計画であったが、初年度のコロナ禍による調査の遅れを2年目までに回収することができなかったため、最終年度に実踏調査を持ち越した。当初、研究の成果をまとめる事に充てる予定だった2023年度だが、多くの調査地を訪問することができ、その分析を翌年に行うべく1年延長することとした。 この3年で、国立、道立、市立、町立、私立など多様な設置者と多様な規模のミュージアムにおけるアイヌ文化に関する展示と教育プログラムについて調査することができた。本研究の計画時に想定していたより多くのミュージアムに訪問しインタビューを実施した。また、当初は博物館のみを想定していたが、アイヌ文化についての展覧会を多く企画している美術館についても調査を行った。調査で収集した資料やデータの整理も進んだ。 プログラム開発手法のツール開発についても試行を重ねて大枠が完成しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
ミュージアムにおける教育プログラムの実態調査については、この3ヵ年の調査データを用いて成果公開のための論文執筆を進める。 プログラム開発のツールについては、完成版及び使用解説を作成し、利用に供することを目指す。
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Causes of Carryover |
アルバイトにかかる経費が予定よりも少額に収まったため、人件費に残が生じた。 助成期間を1年延長したことにより、ツール開発にかかる出費が1年先送りになったため残が生じている。最終年度の2024年度にツール開発を行うため、その打ち合わせ及び実装のための経費として使用予定である。
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Research Products
(1 results)