2021 Fiscal Year Research-status Report
空間特性をふまえた農山漁村地域の復興過程における地域支援手法に関する研究
Project/Area Number |
21K01014
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
福留 邦洋 岩手大学, 地域防災研究センター, 教授 (00360850)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 災害 / 農山漁村地域 / 防災学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、災害時における農山漁村地域の脆弱性を明らかにしながら、どのような点に考慮すれば自立的、持続的な復興につながるか考察することを目的としている。 今年度は、防災・減災にもつながる支援手法として過去の災害からの教訓をどのように学ぶか防災教育、防災学習に関わった。岩手県釜石市においては、2019年台風19号災害(令和元年東日本台風)をふまえた土砂災害の防災教育に関するモデル授業の実施とその効果に関する調査を行った。 モデル授業は、市内の小学校2校、中学校2校を対象として1校時を座学形式(土砂災害の概要及び土砂災害時の避難)、2校時を演習形式(逃げ地図)で行った。これらの学習効果を把握するため、事前アンケート、事後に行った防災クイズ、事後アンケート、事後感想文、授業中に児童・生徒が記述したノート、逃げ地図演習で作成した地図について検討、分析した。なお、逃げ地図演習は、避難経路設定前にひもを用い、道路上において避難にかかる時間を記入する従来の方法から避難経路設定後,避難にかかる時間を児童・生徒が予想し、実際にかかる時間をひもで計測、対比する形へ変更した。 演習結果より、児童・生徒は地図上から土砂災害の危険な場所などの情報を取り込みながら自身が最適だと考える避難経路を各自で設定していた。また、最初に決定した避難経路を使用した場合にかかる時間を計測した結果から避難経路を変更した事例も確認され、土砂災害避難に関しての知見を得る観点から逃げ地図演習は有効であったことがうかがえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で取り上げたように防災・減災にむけた防災学習の成果は得られたものの、研究実施計画にかかげた過去の被災地等の調査はCOVID-19の影響等によりほとんど実施できず、具体的な知見を得るには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究実施計画に基づいた調査・研究の遂行をこころがけたい。
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Causes of Carryover |
COVID-19で現地調査等に影響があり、旅費等が執行されず次年度使用となった。
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