2021 Fiscal Year Research-status Report
時空間的地形分析によるベトナムの都市型水害のリスク評価と地域の持続可能性
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21K01019
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
米澤 剛 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90402825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 達也 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (10572555)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地形 / DEM / 都市型水害 / GIS / ベトナム |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究実績の概要は以下の通りである. (1)当初の計画通りベトナムの天然資源環境省(MONRE)が発行しているハノイ市中心部の縮尺1:2,000の都市計画図(80点)を研究協力機関であるハノイ鉱山地質大学と協力して入手した.これは地形の標高測量値が含まれる,2017年に発行された地図である.先行研究において代表者が2004年に測量された都市計画図を用いて作成した数値標高モデル(DEM)と地形の比較および地形変容分析をおこなうことが可能であり重要な資料である. (2)都市計画図に記載されている標高測量値を抽出することで地形面を推定して高精度のDEMを作成する予定である.作成したDEMは都市型水害の分析の基盤となる情報であり,必要不可欠なデータである.入手した都市計画図から標高測量値のみを抽出する手法を研究分担者および研究協力者と協議した.2022年度の7月までに全標高測量値を抽出し,2022年度9月までにDEMを作成する計画を確認した. (3)抽出した測量値および作成したDEM等はGIS(地理情報システム)データとして公開する予定である.具体的にはWebGISとして公開する予定であり,システム構築に関する設計方法を研究分担者と協議した.WebGISはフリーオープンソースソフトウェアを用いて構築し,研究で用いたデータおよび分析後の都市型水害のハザードマップを最終年度に公開する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では旅費を使用してベトナムに渡航し,ベトナム天然資源環境省の地図調査データセンターから直接都市計画地図を購入する予定であった.しかしながら,2021年度は新型コロナウィルス感染症拡大により渡航が不可能となった.そのため,研究協力機関であるハノイ鉱山地質大学を通して地図調査データセンターと協議をしながら都市計画地図の購入手続きを進めた.これまで地図調査データセンターは日本との電子取引の経験がなく,購入手続きには数ヶ月を要したが2021年度の計画通りの資料を購入することができた.購入した資料が入手できたことで,DEM作成の準備が整い,作成計画を研究分担者および研究協力者と協議することもできた.また,WebGIS構築に関する準備もおこなうことができた. 以上のことから,2021年度の研究の進捗状況はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,2021年度購入したハノイ市中心部の都市計画地図から地形のDEMを作成し,先行研究で作成した2004年のDEMとの比較をおこない,都市の変容分析をおこなう予定である.変容部分(差異)を抽出し,その地域の特徴を調査する.また,ベトナム統計局が公開しているこれまでの都市型水害被害状況をとりまとめ,GISデータとして作成したDEMに重ね合わせ,変容部分を含めた水害分析をおこなう. また,ハノイ市中心部以外の地域およびベトナムの主要都市の都市計画地図の購入も検討し,ベトナムにおける都市型水害や都市の特徴や脆弱性を抽出したいと考える.
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Causes of Carryover |
2021年度はベトナムの都市計画地図を購入するためにベトナム渡航のための出張費を計上していたが,新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて渡航が不可能となった.そのため,計画していた出張費を物品費にあてた.また,資料購入に関して現地機関が日本と直接電子取引をすることがはじめてだったため,資料購入費の確定および必要書類の準備や送付等の手続きに数ヶ月を要した.時期が年度末までずれ込んだため,当初の計画とは差異が生じた.2021年度で余った経費は2022年度の物品費に計上する予定である.
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Research Products
(7 results)