2021 Fiscal Year Research-status Report
中山間地河川における土砂流出ポテンシャルに着目した土砂・洪水氾濫に関する研究
Project/Area Number |
21K01025
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
南雲 直子 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(水災害・リスクマネジメント国際センター), 研究員 (00599665)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中山間地河川 / 土砂輸送能力 / 分級 / 土砂流出 / 河床材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
中山間地河川における土砂・洪水氾濫の特性や地形弱点部に関する理解を進めるため、過去の洪水災害事例や、微地形および土砂堆積、流路・河床変動に関する情報収集を行うとともに、先行研究事例を収集した。また、これらの分析に基づき、微地形や洪水の流れに着目した土砂・洪水氾濫事例の解析に着手した。そして、北海道胆振地方に位置する安平川流域を調査対象地の一つとして選定し、過去の地形や洪水災害事例、ダム堆砂などに関する資料収集を行うとともに、河床材料調査等の現地調査を実施した。その結果、2018年9月の胆振東部地震の影響により上流域では多数の崩壊が生じ、流路に火山性土砂を含む活発な土砂供給があること、上流側の河床では特に比重の小さい土砂が分布していること等が明らかになった。このような、日本の中山間地河川における土砂輸送および土砂・洪水氾濫に関する検討結果の一部は、話題提供者として出席した国際地形学連合のWebinarにて紹介し、出席者と活発な意見交換を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料収集を進めるとともに現地調査を行うことができ、また初年度ではあるが研究発表まで行えたことから、おおむね順調に進展しているとの評価にした。このような成果は、今後の研究遂行に向けて大いに役立つものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
日本の中山間地河川における土砂移動メカニズムや土砂・洪水氾濫の理解においては、安平川のように火山地域であったり、流域に湿地を持っていたりする河川のみならず、多様な河川流域を扱うことが必要であると考えている。2021年度の研究成果をもとに、新たに対象地域を設定して検討を進めるとともに、学会発表等の成果公表も積極的に行っていきたい。
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Causes of Carryover |
現地調査などが十分に行えなかったことから次年度使用額が生じた。今後は調査対象地域として複数の河川流域を選定することを検討しており、それらの場所での現地調査旅費や分析費用に充てたい。また、学会参加費や論文投稿料として使用することも考えている。
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