2021 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between Mass Balance Variations of Active Glaciers in Japan and Climate Change
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21K01026
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Research Institution | Tateyama Caldera Sabo Museum |
Principal Investigator |
福井 幸太郎 公益財団法人立山カルデラ砂防博物館, 学芸課, 学芸課長補佐 (10450165)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 氷河 / 立山 / 剱岳 / UAV / SfM / GIS / GPS / 質量収支 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は6月1日と10月5日に干渉測位GPSを用いてはまぐり雪および内蔵助雪渓(氷河)の面積と縦断面を現地で測量し、Phantom4RTKを用いた空撮も実施した。SfMソフトを用いて空撮画像データから10cmDEMとオルソ画像を作成した。作成された10cmDEMと干渉測位GPSデータから10cmDEMの誤差を求めた。10月5日は風速10m近い強風下で空撮を行ったため誤差がやや大きかった。 Phantom4RTKによる空撮測量では、座標が既知である基点に基地局を設置する必要がある。7月19~22日に剱岳三ノ窓・小窓氷河の脇にある岩盤にボルトを埋め込んで基点を設置し、干渉測位GPSでその座標を求めた。基点は合計5箇所設置した。 9月28日に剱御前小舎、9月30日に大汝休憩所に設置してある気温計のデータ回収とメンテナンスを行った。 10月14日にヘリコプターをチャーターして三ノ窓・小窓・池ノ谷・内蔵助・御前沢・カクネ里氷河の空中写真撮影を行った。シャッターを切った時に干渉測位GPSの位置データが画像データに付与されるデジタルカメラを用いて撮影を行った。 10月31日に日本山の科学会シンポジウムにて観測結果の一部を発表した。日本地理学会英文誌(Geographical Review of Japan Series B)にNewly Identifying Active Glaciers in the Northern Japanese Alps and their Characteristics (English Translation)という題名の論文(研究代表者が筆頭著者)を発表した。この論文は2018年に地理学評論シリーズAに発表した「飛騨山脈北部で新たに見い出された現存氷河とその特性」の翻訳論文であるが、結果および考察に新たな知見を追記してある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた野外観測は8割程度実施できた。 剱岳の三ノ窓・小窓氷河で予定していたPhantom4RTKによる空撮測量だけは新型コロナウイルス感染拡大の影響による組織内の出張制限で2021年度内に実施出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も6月と10月に干渉測位GPSを用いてはまぐり雪および内蔵助雪渓(氷河)の面積と縦断面を現地で測量し、Phantom4RTKを用いた空撮を実施する。 8月にPhantom4RTKを用いた剱岳三ノ窓・小窓氷河のUAV空撮を実施する。 10月にヘリコプターをチャーターして三ノ窓・小窓・池ノ谷・内蔵助・御前沢・カクネ里氷河の空中写真撮影を行う。 2022年度までのデータを用いて立山剱岳の近年の氷河変動に関する論文の執筆を開始する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響による組織内の出張制限で野外調査シーズンである8月にフィールドに出ることが困難だった。このため次年度使用額が発生した。発生した次年度使用額は2022年度の野外調査費用に充てる予定である。
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Research Products
(3 results)