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2023 Fiscal Year Annual Research Report

フランス諸都市における都市化と住民組織の形成史-都市公共交通整備の問題を中心にー

Research Project

Project/Area Number 21K01034
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

國府 久郎  早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (50762374)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsフランス / 都市化 / 住民組織 / パリ / リヨン / トゥールーズ / マルセイユ
Outline of Annual Research Achievements

フランスの任意の住民組織である街区委員会は、日本の町内会や自治会と比較しうる組織として、主に現存する街区委員会を調査対象にし社会学や法社会学の分野で研究が蓄積されてきた。こうした日本における既存の社会学系の研究では、街区委員会は20世紀初頭にボルドーで誕生し、1920年代にはマルセイユやグルノーブルで都市問題に対応するために住民組織が設立されたと考察されている。しかしながら、マルセイユの史料館での現地調査により、1890年代より街区委員会が既に結成され、都市公共交通の問題を中心に住民組織のメンバーが住環境の改善に活躍し、特に郊外地域での都市化に貢献していた事実を明らかにしてきた。本年度はマルセイユの調査で得られた事象が、他の地方大都市でも見受けられたのかについて比較検証するために、昨年度のリヨンでの調査に引き続き、トゥールーズでの現地調査を実施した。
トゥールーズ市史料館および県史料館での調査により、トゥールーズではマルセイユはリヨンとは異なり、1920年代までは街区委員会が形成された痕跡は史料では確認できなかった。19世初頭より住民たちが例えば橋の建設に際してなど、請願書を提出していた事実は史料から発見できたが、その後、都市化が進行した1890年代に組織化はされなかった模様である。その理由は不明点が多く、マルセイユやリヨンとの都市化の程度の差が主に想定されるが、各都市の市政等との関係も研究していく必要がある。
それでも本研究の当初の目的であった、各大都市での住民組織の形成過程の違いについては概ね明らかになっと言える。今後、ボルドーやリールなどの他の大都市についても引き続き調査を行っていくつもりである。

Remarks

本研究課題の成果をまとめた図書、L’impact du reseau de tramways sur la population marseillaise (des annees 1870 aux annees 1930)の原稿をPresses Universitaires de Provence(プロヴァンス大学出版局)に提出し、現在審査中である。早ければ来年度には刊行される見込みである。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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