2021 Fiscal Year Research-status Report
沖縄における祭祀と伝統的地理観の統合分析を利用した村の空間構造解析
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21K01037
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
松井 幸一 関西大学, 文学部, 准教授 (40612437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 真一 愛知学院大学, 教養部, 講師 (00706989)
住田 翔子 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (00722050)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 琉球 / 伝統的地理観 / 集落形態 / 景観 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は現地での資料収集および集落調査を予定していた。しかしコロナウイルス感染拡大の影響で現地でのインタビュー等をともなう集落調査はおこなうことができなかった。そのため沖縄県公文書館および今帰仁村歴史文化センターでの資料収集とドローンによる今帰仁城旧村跡のレーザー測量をおこなった。 沖縄県公文書館での資料収集では複数村落の「一筆限調書」および「一筆調査図」の収集をおこなった。また今帰仁村歴史文化センターでの資料収集では「村全図」,「村略図」,「村字図」の確認をおこなった。特に「村字図」は明治中期頃のもので,これまで分析の対象とされる事のなかったものであり,これを利用することによってより詳細な分析が可能となると考える。ただし「村字図」は所有するセンターにおいてもその所有を一部職員のみしか知らず,由来や変遷が整理されておらず早急な調査が必要となる。 ドローンによるレーザー測量は旧今帰仁村跡と旧親泊村跡にておこなった。測量範囲はかつての今帰仁城の麓村落にあたるが、これまで測量成果をもとにした精密な集落復原の検討がおこなわれていない。測量成果からは詳細な3Dモデルの構築が可能となると考えられ、これまで地籍図をもとに考えられていた一筆ごとの形態や集団としてのまとまりがわずかに残る畝や溝の遺構から分析可能となり,旧村の集落形態やその形成思想の一端が明らかになると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度はコロナウイルス感染拡大の影響のため現地での調査がほとんど実施できなかった。また研究グループによる共同フィールドワークも実施することができなかったため、グループ全体での調査対象の確認と分析方法の共有が詰めきれていない。 また資料の収集が主となったため,特段の成果発表もおこなうことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度におこなった旧村での測量成果をもとに旧村の集落形態とその形成思想の解明を進めつつ、コロナウイルス感染状況も踏まえて旧村が移動した新村においても集落形態の調査を進める。また研究者間での連携を深めて個々におこなっている調査を基礎として,研究グループによる共同調査を今帰仁村でおこない集落形態と景観、社会的繋がりを解明していく。
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Causes of Carryover |
現地での調査をおこなうことができなかったために次年度への繰り越しが生じた。繰越金は22年度の現地調査の日程を延長することによって効率的に使用する。
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