2022 Fiscal Year Research-status Report
沖縄における祭祀と伝統的地理観の統合分析を利用した村の空間構造解析
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21K01037
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
松井 幸一 関西大学, 文学部, 准教授 (40612437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 真一 愛知学院大学, 教養部, 講師 (00706989)
住田 翔子 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (00722050)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 琉球 / 集落 / 風水 / 祭祀 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は今帰仁城旧集落においてドローンによるレーザー測量をおこない、旧集落の詳細な環境把握をおこなった。測量の結果、旧集落は標高40m~80mにかけて3つの段丘面に分類できることが確認できた。75~80mにかけて拡がる地域は今帰仁村ノロ火之神の祠,共のかねノロ火之神の祠,阿応理屋恵ノロ火之神の祠という聖地を含む旧今帰仁村跡推測地である。標高55~65mにかけて拡がる地域は西側に石積み遺構をもつ。この場所にはウーニーと呼ばれる舟をかたどった土盛りがみられ,この土盛りは旧親泊集落の祭祀場所であったといわれ、その祭祀的性格からこの一帯は旧親泊跡と推定される。標高30~40mにかけて拡がる地域は西側にはやや複雑な石積遺構が確認できた。 標高30~40mにかけて拡がる地域のやや複雑な石積遺構を明治時代作成の絵図との照合した結果、かつて祭祀をおこなっていた場所を新たに発見できた。新たな祭祀箇所は『琉球国由来記』などの記述から神送りをおこなっていた場所と推定され、GISによる可視化分析では発見された祭祀場所から海を望むことが可能であることが確認できた。したがって旧村では外部との接触領域を祭祀空間と認識しており,計画性もしくは一定の秩序によって空間構成がおこなわれていたことが推測された。 分担者と合同で村祭祀の古文書について現地調査を1回おこなった。史書などと比較すると供物や参加者が異なっており、祭祀の実態が大きく変更されていることが確認できた。詳細な分析は2023年度におこなう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により分担者との共同現地調査が1回しかおこなえていない。 個々の研究は進んでいるが全体的なとりまとめがやや不十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
個々で積極的な現地調査をおこなうことによって、各テーマの調査・分析を進めつつ、複数回の共同調査を実施することによって全体的なテーマ統合をおこない、これまでの遅れを取り戻す予定である。またZOOMなどを利用して分担者と一層の打ち合わせを進めたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で分担者との合同現地調査を複数回おこなうことができなった。 2023年度の夏に分担者と共同で現地での複数回の合同調査および研究会形式での合同分析をおこない2022年分を補填する予定である。
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Research Products
(1 results)