2021 Fiscal Year Research-status Report
エスニック・ビジネスにおけるホスト社会住民の空間消費の差異に関する地理学的研究
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21K01038
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
片岡 博美 近畿大学, 経済学部, 教授 (70432226)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | エスニック・ビジネス / 「日本型」エスニック・ビジネス研究 / 市場規模 / 人種と民族の交錯 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、市場規模やその地域的差異の分析ほか、各エスニック集団のビジネスに対するホスト社会側の「需要」や「消費」の側面を分析することにより、エスニック・ビジネス研究に新たな知見を付け加えるとともに、共生や統合、排除、包摂ほかエスニシティに関わる「普遍的」な「中間項」を用いた議論とは別の界面から、エスニシティが介在する地域課題の解決に向けた方策を見出すことを目的とした研究である。また、あわせて、欧米諸国出身集団を含めた各集団のビジネスに対しホスト社会側が持つ意識の差異やその生成要因を分析し、人種と民族が交錯する形でエスニックな事象を捉える日本特有の性質も検討することで、「日本独自の」エスニック・ビジネス研究のモデル構築を試みる、ことも目的としている。 初年度の令和3年度においては、研究を進める前提となる部分となる(1)関連する文献や資料の収集・理論の整理と、(2)それを踏まえた上での予備調査、の2つを進める予定であった。進捗としては(1)の関連する文献や資料の収集、理論の整理に関しては、ほぼ予定通り行うことができ、また、これら整理の中では、予備調査の内容に関する精査も詳細に行うことができた。ただし、コロナ禍における広域移動が不可となったこと、また、調査にあたり、訪問し対面での聞き取り等が不可になったことから、(2)の予備調査自体を実施することは不可能となった。この予備調査の部分は、令和4年度分の調査に含めて行っていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的の1つである、市場規模やその地域的差異の分析ほか、各エスニック集団のビジネスに対するホスト社会側の「需要」や「消費」の側面を分析することにより、エスニック・ビジネス研究に新たな知見を付け加えるとともに、共生や統合、排除、包摂ほかエスニシティに関わる「普遍的」な「中間項」を用いた議論とは別の界面から、エスニシティが介在する地域課題の解決に向けた方策を見出すという部分の計画については、初年度の令和3年度においては、先行研究の整理の上で、次年度(令和4年度)より始める調査のための予備調査を行うことを予定していた。しかしながら、令和3年度もコロナ禍における広域移動が不可になるなど、調査出張に関わる制約や、対面での聞き取り調査等の実施ができないなど、調査自体に関わる制約等により、予備調査自体を実施することは不可能となった。この予備調査の部分は、令和4年度分の調査に含め行っていきたい。 ただし、2点目の目的である、欧米諸国出身集団を含めた各集団のビジネスに対しホスト社会側が持つ意識の差異やその生成要因を分析し、人種と民族が交錯する形でエスニックな事象を捉える日本特有の性質も検討することで、「日本独自の」エスニック・ビジネス研究のモデル構築を試みる、という部分に関しては、関連する文献や資料の収集、理論の整理に関しては、ほぼ予定通り行うことができ、その一部は、令和4年度より発行準備が進む書籍原稿にも記載している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画においては、令和4・5年度を、現地調査・分析ならびに理論構築・補足調査の年度とし、令和3年度の予備調査で結果に有意な特徴がみられた地域における(大都市圏・地方都市)聞き取り調査・アンケート調査を実施し、各集団のビジネスに対するホスト社会側の需要や意識を分析し、同時に、「日本型」エスニック・ビジネスの地理学的研究の体系化を図る予定であった。 ただし、令和3年度にコロナ禍における広域移動不可により予備調査が行えなかったため、令和4年度は、できるだけ早い時期に、これら予備調査を行い、今後の本調査の対象地域の選定を行う。また、その後、令和5年に向けて、本調査を徐々に進めていきたい。同時に、令和3年度のようにコロナ禍の影響が続くことも踏まえ、従来想定していた対面接触型の聞き取り調査ではなく、オンライン等を用いた調査についても検討していきたい。なお、令和3年度に行った先行研究や理論の整理等により、「日本型」エスニック・ビジネスの地理学的研究の体系化に向けた知見等が得られたため、今年度以降は実際の予備調査や本調査の分析を踏まえて進めていきたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍における広域移動が不可になったため、予備調査に関する旅費、並びに学会参加用の旅費を使用することができなかった。ただし、これら予備調査に関しては、令和4年度に実行予定であり、その際に使用する予定である。また、このような状況が続くことも想定し、オンライン化できる部分はオンライン化を図り、その際生じる諸経費に使用することも考えていきたい。
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