2021 Fiscal Year Research-status Report
南部アフリカにおける都市の再編に関する地理学的研究
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21K01039
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
伊藤 千尋 福岡大学, 人文学部, 准教授 (00609662)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 都市化 / 地方都市 / ザンビア / 都市―農村関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
グローバル化が著しい南部アフリカ諸国では、大都市・地方都市・農村において、大規模な不動産開発や企業による土地取得などの開発が増加している。これらの開発は、経済主体、都市の分布や役割の変化という観点から、南部アフリカの都市に対する理解の再考を迫っている。本研究では、大都市・地方都市・農村で展開するグローバルな経済主体による開発を「都市の再編」という枠組みの中で統合的に可視化することを目的としている。 初年度にあたる令和3年度は新型コロナウィルスの影響を受け、現地調査を実施することができなかった。また、2020年に実施予定であったザンビアでの国勢調査が延期されており、新たな人口統計等のデータを得ることも叶わなかった。そのため、令和3年度は、これまでの調査で得られたデータの分析・公表や研究の社会還元を中心に進めた。 特に、ザンビアの地方都市における経済活動の変容について検討した。従来より研究対象としている地方都市における経済活動が、近年のマクロな社会・経済変化の影響や都市・農村双方の住民による生計戦略など、様々なスケールで生じる事象の影響を受け変容していることを明らかにした。これにより、地方都市が大都市・農村双方のバッファーとしての役割を担っていることが示唆された。また、これらの都市―農村間の動態が自然資源利用に与える影響についても考察した。今後は新たな統計データ等を取得し、事例をより広域のスケールで捉え直し、地域差を検討していくことが必要となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は現地でのデータ収集が研究の要となっているが、新型コロナウィルスの影響を受け、渡航が実現できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は現地へ渡航し、計画していたデータ収集を実現させる予定である。しかしながら、新型コロナウィルスの影響による渡航制限等が再び実施される可能性もあり、渡航時期や研究計画を柔軟に変更しながら研究を進めたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により海外渡航が実現できず、関連費用の支出がなかったため。 次年度は新型コロナウィルスの状況を注視しながら、主な研究対象地であるザンビアや本研究に参考となる動向が見られる周辺諸国への渡航により予算を使用する計画である。
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