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2023 Fiscal Year Research-status Report

1970年代の草の根環境運動に関する存在論的研究-金武湾闘争と豊前火電反対運動

Research Project

Project/Area Number 21K01042
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

中島 弘二  金沢大学, 人文学系, 教授 (90217703)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords金武湾闘争 / 草の根市民運動 / 環境運動 / 存在論
Outline of Annual Research Achievements

本年度は当初、夏休み中に沖縄および大分での集中的な現地調査(2週間ほど)を予定していたが、2023年8月初めに中島が突然の病気で入院し、その後も数ヶ月間リハビリが必要だったことから、予定通りの調査をおこなうことができなかった。そのため、研究期間の1年間の延長を申請せざるをえなくなった。そうした中でも、限定的ながら以下のような研究活動をおこなうことができた。(1)大分県における草の根市民運動の展開に関する調査(2023年10月3日間)、(2)沖縄における草の根の環境運動に関する調査(2023年12月3日間)、(3)日本地理学会2024年春季大会での研究発表(2024年3月)。(4)雑誌「空間・社会・地理思想」における論文掲載。
(1)においては、由布院の市民運動団体ローカルネット大分事務局にて事務局長の浦田龍次氏へ草の根市民運動の展開に関する聞き取り調査をおこなったほか、大分県立図書館にて草の根市民運動の展開に関する資料を収集した。(2)においては、名護市のエコツーリズム団体「エコネット美」の創設者、輿石正氏への聞き取り調査をおこなうとともに、動物論的視点から草の根市民運動の研究をおこなう人類学者の沖縄国際大学総合文化学部の比嘉理麻准教授と今後の共同研究に関する研究打ち合わせをおこなった。(3)については、日本地理学会2024年春季大会(於 青山学院大学)において「金武湾闘争における生存思想に関する存在論的研究」と題する研究発表をおこなった。(4)については、「金武湾闘争における生存思想の展開-「存在の政治」の視点から-」と題した論文を雑誌「空間・社会・地理思想」27号に発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

上記のように、2023年8月初めに中島が突然の病気(前庭型メニエール病)で入院し、その後も数ヶ月間リハビリが必要となったことから、当初夏休みに予定していた沖縄と大分での集中的な現地調査をおこなうことができなくなった。その後、10月と12月にごく短期間の現地調査をおこなうことで翌年度の調査の準備を行うことはできたが、特に大分の豊前火力発電所建設反対運動関連については調査を十分に行うことができなかった。一方、沖縄の金武湾闘争についてはこれまでにおこなった調査と資料収集をもとにして、学会発表と学術論文をそれぞれ1つずつ行えたことは幸いであった。

Strategy for Future Research Activity

2024年度の研究計画としては、(1)豊前火力発電所建設反対運動に関する調査と資料集をおこない、その成果を論文にまとめること、(2)金武湾闘争に関しては特に今後の課題としていた水俣病闘争や伊達市火力発電所建設反対運動など同時代に日本本土で展開された草の根市民運動との関連を明らかにすること、(3)これまでの調査の成果を踏まえて豊前火力発電所建設反対運動と金武湾闘争の相違点・共通点についての比較検討をおこなうともに、日本の草の根市民運動における両運動の意義について検討をおこなう、(4)これらの成果を学会および論文で発信すること、等を計画している。
なお、2024年7月にインドネシアのジョグジャカルタで開催されるアジア研究学会(Association for Asian Studies)でConstructing the living place: the anti-military exercise movement in Hijudai, Oita Prefectureと題する研究発表を予定している。これは豊前火力発電所建設反対運動以降に大分県で展開されてきた草の根市民運動に関するものであり、この学会への参加を契機として海外研究者との研究ネットワークの構築をはかりたいと考えている。

Causes of Carryover

2023年8月初めに中島が突然の病気で入院し、その後も数ヶ月間リハビリが必要となったことから、当初夏休みに予定していた沖縄と大分での集中的な現地調査をおこなうことができなくなったことにより、旅費および物品費に残額が生じた。2024年度は2023年度に行えなかった大分と沖縄での現地調査(旅費約15万円)をおこなうとともに、調査で必要となる物品(約25万円)を購入する予定である。そのほか、2024年7月にインドネシアのジョグジャカルタで開催されるアジア研究学会への参加旅費として25万円程度を使用予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 2 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] 金武湾闘争における生存思想の展開 ―「存在の政治」の視点から―2024

    • Author(s)
      中島弘二
    • Journal Title

      空間・社会・地理思想

      Volume: 27 Pages: 23-34

    • Open Access
  • [Journal Article] 書評:森正人『文化地理学講義-<地理>の誕生からポスト人間中心主義へ-』2023

    • Author(s)
      中島弘二
    • Journal Title

      人文地理

      Volume: 75(1) Pages: 58-59

    • DOI

      10.4200/jjhg.75.01_058

    • Open Access
  • [Presentation] 金武湾闘争における生存思想に関する存在論的研究2024

    • Author(s)
      中島弘二
    • Organizer
      日本地理学会2024年春季学術大会
  • [Presentation] 陸前高田における場所の想像/創造―復興をめぐる場所の記憶と表象―2023

    • Author(s)
      中島弘二
    • Organizer
      2023年人文地理学会大会
  • [Presentation] Formation and development of tropical forestry in modern Japan2023

    • Author(s)
      Koji Nakashima
    • Organizer
      The Seventh Biennial Conference of East Asian Environmental History
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2024-12-25  

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