2021 Fiscal Year Research-status Report
Range expansion and bottom up of geography education that utilized elementary school social studies supplementary textbooks
Project/Area Number |
21K01044
|
Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
香川 貴志 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70214252)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 小学校社会科教科書 / 小学校社会科副読本 / 地域研究 / 地域比較 / 調べ学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は研究の初年度にあたるため、主に研究環境の基盤整備に励んだ。当該年度は附属桃山小学校の校長を併任していたこともあり、そこでのCOVID-19対応の業務に追われたことも手伝って、当初の予定通りに進められなかった部分がある。しかし、校長を務めていたことにより研究が進めやすかったケースもあり、夏季には町村合併が多く行われた丹後教育局において、管内自治体の小学校社会科副読本の刊行状況や保管状況について聞き取り調査をすることができた。その後は再訪する機会を作れなかったが、令和4年度には勤務先での担当授業において宿泊型エクスカーションをする素地を整えることができた。これは研究成果の社会還元であると認識している。 メインの対象地域である京都府内の社会科副読本に関しては、その研究実績を複数持っている龍谷大学名誉教授・岩田貢氏のご厚意により、氏が収集した副読本を龍谷大学より一時的に借用することができた。これにより当初予定していた副読本収集の作業を大幅に軽減できた。さらに2020(令和2)年度には未発売であった学年の教科書を購入し、そこで扱われているモデル地域の特徴をまとめることができた。そのモデル地域は大部分の自治体では「身近な地域」とはなり得ないため、副読本が作成されているが、モデル地域の多くが相応の規模の自治体で、教科書会社の販売戦略が関係していることが推察できる。 副読本そのものの研究として、副読本に関する過去の研究事例の洗い出しも並行して進めている。膨大な量に及ぶためすぐにはまとめられないが、本研究課題の研究期間終了までには何らかのかたちで口頭発表および論文執筆を行う予定である。 論文は1編のみであるが、別の研究課題(地震被害と復興に関するもの)との継続内容を含めて公表することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の立ち上げ時期であったことに加え、併任先におけるCOVID-19対応の業務があり(COVID-19緊急事態宣言下における教育実習関係の論文を多数公表)、概ね当初の予定には至っているものの、若干の遅れが生じている。ただし、予定よりも円滑に進められている部分もあるので悲観はしていないうえ、今後の見通しも立てられているので問題はないと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
不断に進めている小学校社会科副読本の諸研究の収集を継続し、その体系化に向けた作業を継続する。同時に、京都府内各自治体の副読本作成状況の正確な把握に努め、収集できるものについては鋭意収集を進める。旧版の副読本については、所属先に「小学校社会科副読本資料文庫」を設けられるように、アーカイブスを構築するための許認可が得られるよう各自治体の教育委員会と交渉を重ねる。 比較対象地域についても同様であるが、可能なところから無理のない日程で資料収集と現地調査に励む予定である。 研究成果については、学会での口頭発表、論文執筆だけに満足せず、地域学習をテーマにした小学校での授業提供や現職教員との共同授業にも時間を割く予定である。
|
Causes of Carryover |
勤務先で併任先の業務が山積していたため、本研究課題に割くことができる時間に限りがあったことに加え、旧版の副読本を数多く借用できたため、当初予定していた物品購入や複写費用を大幅に節約することができた。今後の研究を進めていくうえで予定以上の出費が生じることに備え、今年度に繰り越された使用額については有効に使用することを心掛けたい。
|
Research Products
(1 results)