2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K01053
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
本岡 拓哉 同志社大学, 人文科学研究所, 助教 (60514867)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 河川敷 / 近代 / 河川整備 / 歴史地理 / 京都 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、歴史時代における諸空間の変化や布置関係に注目する歴史地理学的視座から、近代以降の河川敷空間の占用状況を定量的かつ定性的に広く調査し、その変化の背景や要因を考察することで、京都府内を流れる河川の河川敷空間とその周辺に生きる人々の生活との関係性を見定めることである。今年度は、前年度に引き続き、京都府立京都学・歴彩館所蔵の公文書および戦後から1960年代までの『京都新聞』の内容を詳細に検討し、当該課題にアプローチした。具体的には京都市「鴨川筋・高野川筋・桂川筋橋下居住者調査票(昭和38年実施)」や京都府河港課『鴨川・高野川不法占拠立退一件 昭和39年度』を中心に、1950年代から60年代における「橋下居住者」や「河川敷居住者」の実態の解明を行った。以上の検討結果については、現在論文にまとめている段階である。 そのほか京都府京田辺市内の木津川流域を対象地域に設定し、京都府や京田辺市などの行政機関が作成した文書・記録類の資料から、明治期から昭和期にかけての淀川水系の河川敷空間の占有実態およびその変遷解明に着手した。2024年度はこれらの調査を継続するとともに、フィールド踏査および関係者へのヒアリング調査を行い、河川敷空間とその周辺に生きる人々の生活との関係性解明にアプローチしていく。 さらに、次年度は本研究課題の最終年度となるため、これまでの成果の全体的な取りまとめを行い、研究の到達点並びに今後の課題明示に取り組む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
別の研究プロジェクトとの関係において、エフォートの配分が予定通り行えておらず、やや研究遂行が遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの遅れを取り戻すべく、本研究に従事する時間およびエフォートをできるだけ増やしていきたい。また、研究課題達成において京都市および京田辺市での調査を重点的な研究対象に位置づける。その際、資料調査やフィールド踏査で得た様々な資料の整理において研究補助者を積極的に活用し、研究課題の達成につなげたい。
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Causes of Carryover |
2023年度は、本科学研究費とは別の研究プロジェクトとの関係により、当初の予算執行計画の変更が迫られることとなった。2024年度は本研究にかける時間及びエフォートを可能な限り増やすことで、当該年度の予算とともに、残額を使用していく予定である。とりわけ資料調査やフィールド踏査で得たさまざまなデータ整理において、業務委託や研究補助者を積極的に活用することを予定しており、その謝礼支払に充当していく。
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