2023 Fiscal Year Annual Research Report
SNSがアフリカの口頭伝承文化に与えるインパクト:マンデのグリオの事例
Project/Area Number |
21K01064
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
鈴木 裕之 国士舘大学, 法学部, 教授 (20276447)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アフリカ / マンデ / グリオ / SNS / ポップス / 口頭伝承 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の各年度の基本的サイクルである、フィールドワークによる資料収集、そのデータの整理・分析、その成果の発表、という一連の作業を完結することができた。 フィールドワークは2023年8月14日から9月12日まで、コートジボワールのアビジャンにおいて行った。前年度に続いて、アビジャンで活動するマンデ系グリオの数人にインタビューを行うとともに、各人と行動を共にしながら一定期間の参与観察を行うことで、より具体的な資料を収集した。とくに1件の結婚式について、その申し込みから式の終了までを調査することができ、現代都市における伝統的な儀式の変容を理解するとともに、その過程でグリオの果たす役割を本研究のテーマであるSNSの使用状況を含めて把握することができた。また、グリオたちがポップスの分野でSNSを使用しながら活動を展開する状況について、引き続き調査を行った。 さらに、今回は本研究の最終年度であることから、アビジャンのマスメディアおよび音楽業界におけるSNS普及の概況を把握するために研究者やジャーナリストなどにインタビューを行った。 帰国後は一次資料、文献資料の整理・分析を行い、その成果を論文および学会発表の形で公表した。 論文は国士舘大学『教養論集』第87号(2024年2月発行)に「マンデ・ポップスにおける共同性と個性の関係:有名アーティストの具体例から」を投稿し、グリオが主体となって形成されたマンデ・ポップスにおいて、共同性と個性とのダイナミズムが音楽を発展させてきたことを明らかにした。さらに日本アフリカ学会第61回学術大会(2024年5月19日)で個人発表「マンデ・ポップスにおける共同性と個性の関係:モリ・カンテとサリフ・ケイタの場合」を行い、論文の概要を示しながら具体的事例を報告した。
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