2022 Fiscal Year Research-status Report
現代中国のハラール産業復興における民俗知のレジリエンス:少数民族の生存戦略の模索
Project/Area Number |
21K01085
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
澤井 充生 東京都立大学, 人文科学研究科, 助教 (20404957)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中国少数民族 / イスラーム / ハラール / 飲食業 / 民俗知 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度もコロナ禍のため海外渡航を実現することができなかったため、日本国内において中国国内のハラール産業に関する基本文献(主に日本語、中国語)を収集・整理し、また、SNSを活用して中国在住の情報提供者に対して聞き取り調査を実施し、中華人民共和国成立後の社会主義建設と回族のハラール産業との関わりを主に北京市のハラール飲食業に焦点をあわせて分析した。詳細については拙稿[澤井 2023]で論じたように、中国共産党が1950年代以降に社会主義改造、宗教制度民主改革、文化大革命を強行した結果、私営のハラール飲食店が<改革>の対象とみなされ、回民の創業者一族が経営権を失い、ハラール飲食店が国営企業として集団化された過程とその意味を考察した。 このようなハラール産業の歴史的変遷を現代中国の政治社会変動と関連づけながら考察した研究には以下のような意義および重要性がある。すなわち、中国共産党が1949年に政権を樹立した後、少数民族の伝統的な生業がどのような荒波に巻き込まれ、ハラール産業従事者が翻弄されることになったのかという基本的な問題を個別具体的に検証することができる。また、ハラール産業のなかの飲食業という特定の業種に焦点をあわせ、飲食業経営者が歩んだ歴史(軌跡)に注目することによって、現代中国に暮らす少数民族が経験した社会主義建設(特に社会主義改造にともなう公私合営化、国営化)の実態をミクロな次元から深く知ることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度も初年度と同様、コロナ禍のため海外渡航を実現することができなかったが、そのかわり、文献調査および文献研究、SNSを活用した情報提供者への聞き取り調査を 実施したため、本研究課題は比較的順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は中国本土および香港への渡航が再開されることになったため、文献研究だけでなく、フィールドワーク(聞き取り調査、参与観察)を実施し、本研究課題をできるかぎり予定通り執行するつもりである。
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Causes of Carryover |
2022年度もコロナ禍のため外国出張を実現することができなかったため、執行予定であった旅費を2023年度に繰り越すことにしました。2023年度は外国出張を数回予定しており、繰越金を執行する計画を立てております。
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Research Products
(6 results)