2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K01095
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐伯 昌彦 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (10547813)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 刑事政策 / 世論 / 応報的公正 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、刑事政策に関連する人々の意識について、一定の制度に対する賛否という水準だけでなく、それとは異なる水準の意見にも注目しながら測定をし、その全体的な構造を明らかにし、そこから、政策論における世論の位置づけ等について提言を行うことを目的とするものである。このような目的を達成するために、本年度は、次年度に実施する予定である社会調査に用いる調査票の作成作業を行った。この作業を進めるために、関連する諸研究(心理的な尺度に関する研究、政治学における世論研究、刑事政策の動向や世論との関係について言及した論考等)を渉猟し,具体的な項目やワーディングについての検討を進めた。 以上の文献研究や、これまでに行ってきた各種の調査結果などを参照しながら、刑事法に関連する意見を尋ねるにあたって、どのようなトピックを利用し、それについてどのような尋ね方で意見を抽出するのかという点について検討を進めた。また、そのような意見を規定する要因として、思考のスタイルや専門家に対する態度、法に対する態度等を想定し、これらについて具体的にどのように尋ねるかについても、検討を加えた。また、次年度実施予定の調査結果から、どのような政策的提言ができるのかという点についても視野に入れながら調査項目を選定する必要があるため、刑事政策と世論との関係についても適宜考察を進めた。調査自体は次年度に実施予定であるが、このような考察の結果について現時点での考えを整理すべく論文の執筆も行った。 本年度特に集中して作業した調査票の作成であるが、最終的には次年度にもさらに検討を進めて、微調整を加えたうえで確定させる予定である。そのため、まだ最終的に確定したわけではないが、次年度にさらに詰めの作業を行い、予定通り次年度に実施することが可能な程度には、調査票の骨格を作成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実績の概要において示した通り、当初の研究計画通り、次年度実施予定の調査で用いる調査項目について一定の準備を進めることができた。もちろん、調査項目について、なお微調整の余地を残している部分もあるが、次年度に調査を実施するまでにさらに検討を進めることによって、予定していたスケジュール通りに調査を実施できる程度には、検討を進めることができている。このように、当初予定していた通りに作業を進められているため、「おおむね順調に進展している」を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに記載した通り、今年度中に予定していたことは概ね達成できた。次年度は、調査票の内容について詰めの検討を行ったうえで、調査を実施し、第一次的な分析を終えるところまで研究を進める予定である。また、研究会等の機会を利用しつつ研究経過について報告をし、最終年度において研究内容を取りまとめるための準備を進めていく。
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