2021 Fiscal Year Research-status Report
ロシア統治下サマルカンドにおけるイスラーム法廷とロシア法廷
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21K01100
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
矢島 洋一 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (60410990)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 中央アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、帝政ロシア統治期(19世紀後半~20世紀初頭)の中央アジア、特にサマルカンド州における裁判記録を可能な限り網羅的に検討することを通じて、当該時期のイスラーム法廷とロシア法廷との関係を明らかにすることを目的とする。本年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により予定していたウズベキスタン共和国中央国立文書館での調査を行うことができなかったため、既に取得済みの資料の整理と分析を中心に研究を行った。特に、20世紀初頭のロシア法廷において扱われたムスリムを当事者とする犯罪事件について、ロシア法の適用の観点から検討を進めた。その結果、トルキスタン地方統治規程に定められたイスラーム法廷・ロシア法廷の管轄の在り方について、実際の裁判事例から確認することができた。また本研究は当該時期の中央アジアの法制度における現地ムスリムが関係する案件を中心に扱うが、同時にユダヤ人など法廷資料に現れる民族的マイノリティの位置付けについても検討することをも目的としている。そのために、サマルカンドの民衆法廷台帳にしばしば現れるヘブライ文字などいくつかの非アラビア文字による書き込みに注目してデータを収集した。それらの背景について明らかにするには現状ではまだ事例が不足しているが、当該時期の中央アジアにおける人の移動やその目的の観点から民族的マイノリティと法廷との関係についても検討し、同時に法廷における多言語状況についても考察していく見通しがついている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響により当初予定していた海外調査は行うことができなかったものの、既に入手済の資料の整理・分析により研究に十分な進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も新型コロナウイルス等の影響によりウズベキスタン共和国での調査が実施できない可能性があるため、当面は取得済資料の分析作業を中心に行う予定である。
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Causes of Carryover |
物品費として使用する予定だったが、急ぎ必要とする物品はなかったため、次年度に繰り越す方がより有効に使用できると判断した。繰り越し分は、次年度の旅費と物品費の一部として使用する予定である。
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