2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K01112
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 展彰 大阪大学, 社会技術共創研究センター, 特任助教(常勤) (40883210)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 法的因果関係 / 因果関係 / 介入主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度となる2023年度は、前年度に構築した介入主義を応用した法的因果関係論の理論的基盤をブラッシュアップするとともに、追加的な研究として法的因果関係と法的責任との理論的関連性にかかる議論の整理を進めた。また、本研究の成果をまとめた国際会議での報告と英語論文の執筆を行った。 第一に、研究第二年度の2022年度に構築した介入主義を応用した法的因果関係論の理論的基盤の有効性を検証すべく、同じく2022年度に論点を整理した裁判例(東大ルンバール事件、新潟水俣病事件、イタイイタイ病事件、四日市ぜんそく事件等)と照合し、これらの具体的事例においても適用可能であることを確認した。 第二に、介入主義を応用した法的因果関係論の実践的意義を明らかにすべく、法的因果関係と連続的に捉えられることも多い法的責任との関係性について、先行研究の整理に向けた文献渉猟を行った。特に、Michael S. Moore, Causation and Responsibility, OUP, 2009を集中的に検討し、法的因果関係と法的責任との関連性に関する英米法圏における議論の展開を踏まえた検討を行った。検討の結果は、「法的責任への多角的アプローチ研究会」にて「法的因果関係と法的責任の現在地点」と題する報告を行い、出席各位からの批判を仰いだ。 その他、2023年度に取り組むべき課題として挙げていた研究成果の国際発信を図るべく、The 2nd IVR Japan International Conferenceにおいて“A Conception of Legal Causation Theory with Application of Interventionist Accounts”と題する査読付き報告を行うとともに、本報告に基づく英語論文を投稿した。論文は現在査読中である。
|