2021 Fiscal Year Research-status Report
ポストコロナ社会の法的支援ネットワーク 利用と供給の変容と課題
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21K01118
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
吉岡 すずか 桐蔭横浜大学, 法学部, 客員研究員 (60588789)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 法的支援 / ネットワーク / 弁護士 / ポストコロナ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで対面での提供が前提とされてきた法的支援は、コロナ禍により遠隔での手続・支援を余儀なくされ、弁護士に代表される法実務界は未曾有の変化に直面している。他方、法的支援を必要とする高齢者や障がい者等は、もともと遠隔支援が要請する通信情報技術には弱く、新しい生活様式のために“助けを求める力”は一層低下しているように見える。セイフティーネットや多職種間連携による法的支援ネットワークが機能しない状況にあり、決して看過できるものではない。 本研究計画は、法的支援の現場において、利用と供給の両者がいかに変容を迫られているかの実態把握、課題の整理、司法政策へのインプリケーション提示を目指すものである。 当該年度は、予定していた(1)コロナ社会、リーガルサービスにおけるIT化についての資料収集を完了し、本研究における理論枠組みの基本的な整理を終えた。特に、リーガルサービスがこれまで前提としてきた「対面性」に着目し、利用者側の「助けを求める力」を法社会学紛争行動論や司法アクセス研究の見地から捉え直す作業を実施した。(2)弁護士を対象としたインタビュー調査を実施した(一部、コロナ感染拡大につき遅延、継続中)。また、利用者側の各種調査のデザインを開始し、調査会社との協議を進めた。他方で、当初の計画よりも前倒して、進捗状況について公開するWebサイトページの開設準備を開始し、学会報告に向けた執筆を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度中に予定した(1)コロナ社会、IT化についての文献資料収集、それを踏まえての理論枠組みの整理は予定通り進んでいる。(2)弁護士及び利用者を対象とした各種調査は、当該年度内に予定だったものの一部が未実施となり、次年度以降、継続実施となった。これは、新型コロナウイルス感染拡大につき、安全と感染予防の観点から、調査協力者や調査会社との調整を見合わせた時期があったためである。他方で、当初の計画よりも前倒して、進捗状況について公開するWebサイト作成に向けた作業実施、研究内容についての学会報告準備が進展した。全体として、本研究は、当初の予定通り概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
継続実施中の弁護士及び利用者を対象とした各種調査を実施する。夏までに、本研究専用に増設するWebサイトのページにおいて、理論枠組みの整理、完了した調査の概要とディスカッションペーパーを順次公開していく。日本社会学会等において研究報告を実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により当該年度中に実施予定であった各種調査が一部実施できず、次年度に継続実施となった。次年度では、コロナ感染拡大状況をみながら可及的速やかに、調査協力者及び調査会社との連絡調整及び協議を進め、実査完了に向け努める。
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Remarks |
準備ページを公開中で、本研究専用のページを夏までには公開し順次アップデートしていく。
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