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2021 Fiscal Year Research-status Report

On Freedom of "Expression without Content"

Research Project

Project/Area Number 21K01139
Research InstitutionKyushu Sangyo University

Principal Investigator

瑞慶山 広大  九州産業大学, 地域共創学部, 講師 (50865665)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords表現の自由 / 音楽 / ダンス / 審査基準
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、表現の自由に関する日本の主要な学説を網羅的に収集し、その内容を「内容=メッセージ」のない表現の自由の保障という観点から分析することを試みた。表現の自由論において語られる「表現」なるものは、政治的表現を中心とした「内容」すなわち「メッセージ」がある表現活動であるように思われるが、他方で、日常的に「表現」と言った場合には、歌詞のない音楽やダンスなど「内容」が想定しづらい(ないし想定することが不適切)であるように思われるものがある。そうした「内容なき表現」がいかに保障されるのかを論じたい。
今年度の実績の概要は次の通りである。
①表現の自由の保障根拠論として、「自己実現」「自己統治」「思想の自由市場」の3つが上げられることが多い。このうち、音楽表現やダンス表現のような内容なき表現が「自己実現」の観点から保障されるとする点においては意見の一致がみられると考えて良いだろう。
②他方、違憲審査基準の寛厳を決定する段階になったときに、これまでの学説は表現内容に対する志向性があるか否かを決定基準としており、そこでは「内容なき表現」の居場所は与えられていない。
③この①・②における差異がなぜ生じたのか、換言すれば、「内容なき表現」がなぜ抜け落ちてしまったのかについては、分析が不足しており、現時点で定見を得ることができないでいる。来年度の前半までに分析を急ぎ、そうした喪失の経緯を描出するよう心みたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

必要な先行研究の収集を終え、本研究開始当初の仮説を指示する論拠を発見できた一方、先行研究がそのような経過を辿った理由についての分析が不足している。また、それに伴い、今年度は論文等の学術成果の公刊もかなわなかった。

Strategy for Future Research Activity

「内容なき表現」が考察対象から曖昧な形で外れていった経緯については、次年度前半までに詳細に分析し、論文等の成果を公表したい。また、本来の計画通り、2年目には、米国の学説研究に取り組む。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症のまん延が引き続くなかで、学会・研究会の開催が見送られることが多く、旅費を支出する機会がなく、また物流の混乱により外語書籍の購入にも手間取った。次年度は当該感染症の状況次第ではあるものの、学会・研究会の再開に合わせて、旅費の支出が増える見込みであり、また外語書籍は早期に注文を確定させ安定的な物品購入に努める。

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Published: 2022-12-28  

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