2021 Fiscal Year Research-status Report
国際組織の責任法理の再検討―国際組織責任条文への批判と採択後の展開を踏まえて
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21K01166
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
佐俣 紀仁 武蔵野大学, 法学部, 准教授 (10612533)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 国際組織の責任 / 国際組織の人権保障義務 / 国際組織のアカウンタビリティ / 国際組織の規則 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、国際組織の責任に関する国際法制度の現状を、理論および運用の双方から再検討することである。このために以下3つの具体的なテーマを設定する。第1に、国家間に適用される諸規則をモデルにした国際組織責任条文(以下ARIO)(特に、責任発生の要件、効果) それ自体の理論的根拠とその妥当性を考察する。第2に、国際組織を拘束し、違法/合法の判断基準となるルール(一次規則)の発展状況を検討する。 第3に、責任を認定し、それを追及するための制度の発展とその国際法理論上の位置づけを探る。近年では、特に国際組織による人権侵害の被 害者を救済する上で、国際組織ではなく、加盟国の責任を追及するという実行がしばしば見られる。また本研究は、裁判以外の代替的手段(オンブズマン等)を国際組織自体が提供し、そこで賠償や事実調査等を行う実行も視野に入れる。
研究の初年度である2021年度には、特に前述第2、第3の点に関連する研究を進めた。主たる研究成果として、以下2点がある。第1に、国連PKOに関する人権保障義務の発展状況の分析・検討を行い、国連が負う人権保障義務が国家に適用されるものと異なる内容・範囲で発展している可能性を示した(2021年8月口頭発表、2021年9月脱稿済み)。また、第2に、WHOという一つの国際組織に焦点を当てて、WHOのアカウンタビリティを確保することの弊害等を検討した論文も刊行した(佐俣紀仁「世界保健機関(WHO)の権限とアカウンタビリティ――国際保健規則(IHR)緊急委員会の透明性改革の課題『国際法外交雑誌』120巻1/2号所収)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で海外渡航等は制限があるものの、おおむね順調に研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、特に、国際組織責任条文における責任発生の要件、効果の理論的根拠とその妥当性についても調査を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で、旅費計上していた分に残額が生じた。来年度以降の渡航あるいは研究遂行に必要な資料購入代金等に充当する。
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Research Products
(4 results)