2023 Fiscal Year Research-status Report
国際組織の責任法理の再検討―国際組織責任条文への批判と採択後の展開を踏まえて
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21K01166
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
佐俣 紀仁 武蔵野大学, 法学部, 准教授 (10612533)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 国際組織 / アカウンタビリティー / 責任 / 世界銀行 / 国連 / CHM原則 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度には、研究計画に従い、国際組織を拘束する国際法上の義務(一次規則)の発展状況について重点的な研究を行った。まず、国際連合(国連)が負う人権保障義務の範囲と性質について、国家と国連との間で人権保障義務について差異化が生じていることを指摘した(この成果は『新国際人権法講座』にて論文を発表した)。また、世界銀行という国際組織の義務について、持続可能な開発目標(SDGs)採択以後の世界銀行の内部規則を手がかりに検討を行った。この結果、世界銀行においてSDGsを受容した内部規則が発展している一方で、他方では、世界銀行が負う人権保障義務の範囲は変化していないことを明らかにした(この成果は、国際経済法学会の年報において公表した)。他にも、世界銀行が設置した責任追求の代替的となる制度(アカウンタビリティ・メカニズム)についても、国際学会、国内学会等において口頭報告を行った。これらの成果も、次年度以降、学術誌あるいは図書等の形で刊行予定である。その他にも、海洋法分野の国際機構である国際海底機構(ISA)の活動に関連する研究も国際雑誌にて公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに研究成果を公表できているため。また、国際的な成果発表も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、最終年度の研究の取りまとめを行う。
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Causes of Carryover |
予定していた出張等を、オンラインでの打ち合わせ等で代替することができたため、旅費等支出が想定を大幅に下回った。この分は次年度(2024年度)の成果発表のための出張や必要資料の購入にて使用する予定である。
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Research Products
(12 results)