• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

消費者の認知バイアスを利用した勧誘手法・契約構造に対する法的規制の検討

Research Project

Project/Area Number 21K01217
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

牧 佐智代  北海道大学, 法学研究科, 教授 (40543517)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords貸付け / 給与ファクタリング
Outline of Annual Research Achievements

2023年度は次の2つのことに取り組んだ。
(1)給与ファクタリングが貸金業法・出資法上の「貸付け」に該当するかどうかについて判断を下した最高裁決定(最決令和5年2月20日刑集77巻2号13頁)の登場を契機として、下級審裁判例を含め検討を加えることによって、給与ファクタリングの取引の仕組み・手法を紐解いた。それにより、給与ファクタリング取引においては、債権譲渡・債権売買の法形式をとることによって、①そもそも金銭消費貸借契約を締結している(借金をしている)こと、②利息が徴収されていること、③その利率、について借主たる消費者の認識を妨げるべく取引の仕組みが構築されていることを明らかにした。
(2)消費者の認知バイアスを利用した勧誘・取引・契約構造は、上記給与ファクタリング取引も含め、日々新たに業者によって構築されているところ、これらの取引・契約構造を規制するためのルールの設計の仕方として、ルールベースかプリンシプルベースかという視点、また、ルールかスタンダードかという議論は重要な視座を有している。このとき、2023年に行われた金融商品取引法・金融サービス提供法の改正内容を検討することにより、同改正では、それぞれのアプローチのメリット・デメリットを踏まえつつ、プリンシプルベースで規律していた内容の一部をルールベースアプローチでも規律することによって、不適切な実務態様について「最低基準の底上げ」を図ろうとうするものであることを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2023年度は年度途中での移籍(所属先変更)により、研究時間の確保に困難が生じた。このため、上記研究実績のうち、(2)については研究業績として公表にまで至ることができたが、(1)については公表に向けて準備途中にある。

Strategy for Future Research Activity

上記研究実績(1)の給与ファクタリング取引における消費者の認識阻害性について、論文の公表に向けて作業を進める。
また、給与ファクタリングに代わる、貸金業法・出資法の規制逃れの貸付けの手法として、後払い現金化や先払い買取現金化といった手法も登場しており、これらがどのような仕組み・機能を有しているかについて検討を行う。

Causes of Carryover

2023年度は、年度途中の10月に所属先の変更(大学移籍)があったため、研究に専念できる時間を十分に確保することができず、繰越金が発生した。
次年度は、落ち着いて研究できる体制も整ったため、使用する書籍の購入だけでなく、研究成果発表のための研究会への参加による旅費等で支出する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 2023年改正金商法・金サ法における「広義の適合性原則」および「顧客の最善利益」の法定義務化について2024

    • Author(s)
      牧佐智代
    • Journal Title

      消費者法ニュース

      Volume: 139 Pages: 97-99

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi